かの
字は
また婦女としての徳を大いに備えていた。
また王渾の弟、
まるでスール(姉妹)のようであった。
鍾琰が貴門出身だからと言って
郝氏を侮ることもなかったし、
郝氏が賤門出身だからと言って
鍾琰に阿ることもなかった。
王湛の子、
郝氏が定めた礼法を手本とし、
王渾の家では、
鍾琰が定めた礼法を規範としていた。
王司徒婦,鍾氏女,太傅曾孫,亦有俊才女德。鍾、郝為娣姒,雅相親重。鍾不以貴陵郝,郝亦不以賤下鍾。東海家內,則郝夫人之法。京陵家內,範鍾夫人之禮。
王司徒が婦は鍾氏が女にして太傅が曾孫、亦た俊才にして女德有り。鍾と郝とは娣姒と為り、雅より相い親重す。鍾は貴なるを以て郝を陵さず、郝も亦た賤なるを以て鍾に下らず。東海が家內は、郝夫人が法に則る。京陵が家內は、鍾夫人が禮を範とす。
(賢媛16)
何だこのクソ情報量多い話……
王湛
才気煥発であったが敢えて主張はせずじっとしていた。けれども甥の王済があるときその異才に気付き、大慌てで武帝に推挙、他の人間よりやや遅いタイミングでの士官となった。そのためだろうか、娶った郝氏の家門はやや低い。
郝氏
父親が
そのへんから敷衍すると「郝氏が定めた礼法」があくまで子の代からの適用であるのに対し、「鍾琰の定めた礼法」は既に夫からも重きを置かれているというのが、このスールの地位の差をどうしようもなく表しているよなあ、と思う。
あと、このエピソードを読むと前エピソードの鍾琰のスタンスが、ほぼほぼガチのプラグマティストなんだろうなぁ、という印象にもなる。さすが鐘会さんの親族である。
王承
パパと同じ位寡欲の人、のはずが