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王衍4  王衍軽んじられる

王衍おうえん、親族に用事を頼んだ。

が親族、全然用事に出向かない、

どころか、なんか宴会で

ドンちゃん騒ぎし始める。


いやいやさすがに

待ってくださいよって思いましたよね、

王衍さん、親族に言う。


「え、私あなたに用事頼みましたよね?」


すると親族逆ギレ。

中身の入った皿を、

王衍の顔めがけてぶちまけた!


けれども王衍、この暴挙に対して、

特に何も言わずに立ち去る。

顔を洗うと、まだ幼かった

王導おうどうくんをふんづかまえ、

一緒に牛車に乗って立ち去った。


その車内、王衍と王導くんは

横並びで座っている。

正面の窓からは御者と、

車を引っ張る牛の背が見える。


王衍、王導くんに

鏡で自分の顔を見せながら、言う。


「見なさい。こんなことがあっても、

 私の目はまっすぐに前を向いているよ」



なお王導さま、王衍のことを

後日このように語ってはいる。


「厳然として清澄である。

 かのお方の前に立てば、

 まるで果ての見えぬ壁の前に

 立たされているかのような

 気持ちとなった」


あるいは。


「世論では、私を王承おうしょう阮瞻げんせん

 並べて語るが、かれら二人の評判は、

 非常に高いものだ。


 ただ彼らは、ともに王衍様を

 激賞している。

 やはり、あのお方が

 特に優れているのだ、

 と言うべきだろうね」


まあ、王導さまから

リスペクトはされているので、良い……

のかなあ。うーん。




王夷甫嘗屬族人事、經時未行。遇於一處飲燕。因語之曰:「近屬尊事、那得不行?」族人大怒、便舉樏、擲其面。夷甫都無言、盥洗畢牽王丞相臂與共載去。在車中、照鏡、語丞相曰:「汝看我眼光、迺出牛背上。」

王夷甫は嘗て族人に事を屬すも、時を經れど未だ行かず、一處に遇し飲燕す。因りて之に語りて曰く「近きに尊に屬せる事、那んぞ行くを得ざらんや?」と。族人は大いに怒り、便ち樏を舉げ、其の面に擲げる。夷甫は都べて言無し。盥洗し畢うるに、王丞相が臂を牽き、共に載りて去る。車中に在りて鏡を照らし、丞相に語りて曰く「汝、我が眼光を看るべし。迺ち牛の背上に出づ」と。

(雅量8)


王公目太尉:「巖巖清峙、壁立千仞。」

王公は太尉を目すらく「巖巖と清峙せるは、壁の千仞なるに立てり」と。

(賞譽37)


王丞相云:「頃下論以我比安期、千里。亦推此二人。唯共推太尉,此君特秀。」

王丞相は云えらく:「頃にして下論にては我を以て安期、千里と比ぶ。亦た此の二人を推さん。唯だ共に太尉を推したり、此の君は特に秀でたり」と。

(品藻20)




どう考えても族兄に非があんのに黙って退散とか紕漏じゃねえのこれ。あるいは輕詆。やっぱり王衍は「西晋を滅ぼしたクソ野郎」を主張するためにエピソードが多いのかなー。解決すべき問題解決しようともしないで「私の器はデカいんですよ」アピールとか馬鹿なのかな。


ちなみに王導と王衍は同じ琅邪王氏、つまり親戚筋。


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