丹陽尹、即ち、
蘇峻の乱によって
ズタズタにされた建康の、である。
は? と孔坦、ついついブチギレる。
「明帝陛下より後事を託されたのは
貴方がたでしたよね? そして、
陛下の信任を受けての振る舞いが、
今回の大乱を招きましたよね?
私、そこに全然
関わっていないんですけどね!
だのに私に
後始末させようってんですか!
貴方がたのやっていること、
言い換えましょうか!
私の厨房に突然乗り込んできて、
いきなり腐った肉放り込んで
おいこれ旨いもんにしろ、
ってごり押ししてきてんですよ!」
付き合い切れるかボケ、
と孔坦は立ち去る。
そりゃもう丹陽尹になんて
任命も出来ませんよね。
蘇子高事平、王庾諸公欲用孔廷尉為丹陽。亂離之後、百姓彫弊。孔慨然曰:「昔肅祖臨崩、諸君親升御床、並蒙眷識共奉遺詔。孔坦疎賤、不在顧命之列。既有艱難、則以微臣為先。今猶俎上腐肉任人膾截耳!」於是拂衣而去。諸公亦止。
蘇子高の事の平ぐるに、王、庾ら諸公は孔廷尉を用いて丹陽に為さんと欲す。離亂の後、百姓は彫弊す。孔は慨然として曰く「昔に肅祖の崩ぜるに臨み、諸君は親しく御床に升り、並び眷識を蒙り、共に遺詔を奉ず。孔坦は疎賤にして、顧命の列に在らず。既に艱難有らば、則ち微臣を以て先に為さんとす。今猶お俎上の腐肉を人に任せ膾として截せるのみ!」と。是に於いて衣を拂いて去る。諸公も亦た止む。
(方正37)
蘇峻
孔坦
蘇峻の乱の際、