お酒を飲んでいた。
そこでいきなり、空になった
瑠璃の杯を、
「この杯の中には何も入っていない。
つまり、杯としての
用を為しておらんのだ。
だのにこの杯は
宝として扱われておる。
これはいったい、
どうしたわけなのであろうな」
王導さまが見るのは、
周顗さんのその、堂々たるお腹。
外見ばかり麗しいが、
その中身に収まるべきものがない。
そのような人間を貴人として扱うのは
どうしたことなのか、と。
うわあ、丞相エグい。
だが周顗、さらっと返す。
「とても綺麗で透き通っておる。
ならば十分に宝であろう」
王公與朝士共飲酒。舉瑠璃盌、謂伯仁曰:「此盌腹殊空。謂之寶器。何邪?」答曰:「此盌英英、誠為清徹。所以為寶耳。」
王公と朝士は共に酒を飲む。瑠璃盌を舉げて伯仁に謂うて曰く「此の盌腹は殊に空し。之を寶器と謂うは何ぞや?」と。答えて曰く「此の盌、英英として誠に清徹為り。寶と為す所以のみ」と。
(排調14)
丞相と周顗さんシリーズ、三連発。なんなんだこいつらのいちゃこらっぷりは。