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帛尸黎蜜多羅1 卓朗の人

西域から来た僧侶、帛尸黎蜜多羅はくしりみったら

通称、高坐道人こうざどうじん


この奥深い人物について、

皆がどうにか評したいと思っていた。

が、なかなかうまく言い表せる

言葉が見つからない。


ある時、桓温かんおんパパの桓彝かんい、同僚の周顗しゅうぎに、

高坐道人について聞いてみた。

すると周顗は言う。


「卓抜にして明朗、というところかな」


さてそんな高坐道人に、

桓温さまも若い頃に出会ったことがある。


その時のことを思い返し、

桓温さまは仰るのだった。


「その深き思慮は、

 どこまでもなみなみと

 湛えられている泉のようだったな」




時人欲題目高坐、而未能。桓廷尉以問周侯。周侯曰:「可謂卓朗。」桓公曰:「精神淵箸。」


時の人は高坐を目して題せんと欲すれども能わず。桓廷尉は以て周侯に問う。周侯は曰く「卓朗と謂うべし」と。桓公は曰く「精と神とは淵に箸く」と。


(賞譽48)




漢語話せない高坐道人とのやりとり、間には常に通詞がいたんでしょかね。むしろ通詞すげえな。

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