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簡文4  暗室の二人

簡文かんぶんさま、暗い部屋に座ってる。

そこに桓温かんおんさまを呼ぶ。


マジで暗い。何にも見えない。


「へ、陛下、どちらですか?」


すると陛下、『論語ろんご』の

衛霊公えいれいこう第十五ネタで答える。


「某は斯く在り」


その言いまわしに、当時の人は感心した。




簡文在暗室中坐,召宣武。宣武至,問上何在?簡文曰:「某在斯。」時人以為能。


簡文の暗室の中にて坐せる在り、宣武を召す。宣武は至りて問うらく「上は何こに在りや?」と。簡文は曰く「某は斯く在り」と。時の人は以て能と為す。


(言語60)




なにいちゃついとんねん2。


そしてこれも、見方は考えたい。「見えない桓温を導く簡文」。元々「某在斯」は、孔子が盲目の楽士を席に案内する時に言った言葉。


何故、桓温を「見えなく」させたのか。後々のエピソードに、そのヒントはあるんだろうか。



衛霊公第十五 42

師冕見。及階,子曰:「階也。」及席,子曰:「席也。」皆坐,子吿之曰:「某在斯,某在斯。」師冕出,子張問曰:「與師言之道與?」子曰:「然,固相師之道也。」


楽士の冕殿がやってきた。かれは盲目であった。なので彼が階段に差し掛かると、孔丘先生は「階段があります」と声をかけた。席に近づくと、孔丘先生は「席です」と声をかけた。皆が着座すると、孔丘先生は「誰それがそこに、誰それがここにあります」と伝えた。演奏が終わって冕殿が退出すると、顓孫師殿が孔丘先生に問うた。「あれが楽士の誘導方法なのですか?」「そう、楽士どのをサポートするためのやり方だ」

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