ある日、
「おう劉惔、そう言えば司馬昱様、
かなり清談上手くなったらしいな?」
すると劉惔が答えた。
「そうですね。凄い上達ぶりですよ。
とは言え、やはり一流とは呼べませんね」
おいおい、と桓温は聞く。
「なら、一流って誰だよ」
「決まってるじゃないですか。
私たちですよ」
桓大司馬下都、問真長曰:「聞會稽王語奇進。爾邪?」劉曰:「極進、然故是第二流中人耳。」桓曰:「第一流、復是誰?」劉曰:「正是我輩耳。」
桓大司馬は都に下り、真長に問うて曰く「會稽王が語は奇だ進むと聞く。爾れるや?」と。劉は曰く「極めて進みたり。然れど故より是れ第二流中の人なるのみ」と。桓は曰く「第一流は復た是れ誰ぞ?」と。劉は曰く「正に是れ我が輩のみ」と。
(品藻37)
簡文さまは、別エピソードで「劉惔、
劉惔は「一流」と呼んでいる、と言うふうに扱えそうですね。
なので彼らについては、後ほど「簡文文壇」としてまとめて取り扱います。ぶっちゃけこのグループこそが世説新語の主役たちと言っていい、そんな人たちだったりします。