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簡文16 友との懸隔

簡文かんぶんさま、即位後、

許詢きょじゅんと語らう事があった。


この時許詢が持ち出したテーマは、

「親と君主では、

 どちらを大事にすべきでしょうか」

というものだった。


簡文さまの親は、元帝げんてい

そして簡文さまの君主は、

代々兄、明帝めいていの血筋の子弟たち。


いま、簡文さまは

兄の血筋の者たちを抑え込み、

登極するに至っている。


これは、果たして「孝」に則ると

言えるのだろうか?


このようなテーマ、

軽々に簡文さまが扱える筈もない。

黙り込んでしまう。


やがて許詢が去った後、

思わず簡文さまは漏らしてしまう。


「許詢の奴、

 ことさらにそんなテーマを

 持ち出さんでもよかろうに」




簡文與許玄度共語。許云:「舉君親、以為難。」簡文便不復答。許去後而言曰:「玄度故可不至於此。」


簡文と許玄度は共に語らう。許は云えらく「君と親とを舉げ、以て難を為すべし」と。簡文は便ち復た答えず。許の去りて後に言りて曰く「玄度は故より此れに至らざるべし」と。


(輕詆18)




と言う解釈で行きたいけれども、

どうなんでしょうね。


仲の良かった二人が後日、みたいなのは、

武帝ぶてい諸葛靚しょかつせんでも見えてるし、

世説新語的にも好物かな、

とは思うんだけれども。

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