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謝尚1  謝尚さんは人気者

王導おうどうさまの前で謎のダンスを

唐突に披露したことで有名な謝尚しゃしょうさん。


その評判は空前絶後、

というレベルである。


例えば桓温かんおんさまが皇帝に伝えている。

「謝尚の心根はまさに率直。

 だからこそ若き頃より、

 民から讃えられております」


また、このような世論がある。

「あの自由さは素敵だ」


阮孚げんふはこう言う。

「あの晴れやかで闊達な人柄こそ、

 到達した人格、と呼ぶべきなのだろう」


更に、ある人は言っている。

「殊更に意識するまでもなく、

 自然に向上しようと

 振る舞っているよう思われる」


要するに、みんなからべた褒めである。




桓宣武表云:「謝尚神懷挺率、少致民譽。」

桓宣武は表して云えらく「謝尚が神は挺率を懷き、少くして民よりの譽れを致す」と。

(賞譽103)


世目:「謝尚為令達。」阮遙集云:「清暢似達。」或云:「尚自然令上。」

世の目すらく「謝尚は令達を為す」と。阮遙集は云えらく「清暢たるは達せるに似たり」と。或るものは云えらく「尚は自らをして上らしめるに然れり」と。

(賞譽104)




阮孚

竹林七賢、マイナーな方の阮氏こと阮咸げんかんの息子。晋書羊曼ようまん伝にて、阮放げんほう郗鑒ちかん胡毋輔之こむほし卞壺べんこん蔡謨さいも劉綏りゅうすい、羊曼と共に「兗州八伯」と呼ばれ盛名を博している。既に登場している郗鑒、卞壺、蔡謨、羊曼と比較することができる人柄、ともなれば、実直なイメージにはなってきそうである。多少剛直でもありそうだが。

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