なかなかケーソツな人なのである。
この時の謝尚、
伯父の
葬儀を終え、三日間、
自宅にて哭礼をなす。
そんなタイミングだ。
けど宴会だぜ?
謝尚のやつが来ないはずがねえ!
そこで王濛たち、
使いを飛ばして謝尚を誘う。
はじめこそ謝尚、
いやいや行けるわけねえだろ、
と誘いを突っぱねていた。
が、門前にはすでに
迎えの車が止まっている。
ここで王濛たち、ダメ押し。
来いよ、来い。来るしかねえ。
誘惑に負けた謝尚、遂に出発。
桓伊の家についたところで、
人に手を取られ車から出てくる。
ここで謝尚、服喪のための帽子を
通常の帽子に付け替えた。
そうして宴会に合流。
わいのわいの騒ぐ。
そして、宴もたけなわとなった時!
「あ、俺喪服のままだったんじゃん!」
ようやくそのことに気付きましたとさ。
いや周りもツッコめよそこ。
王、劉共在杭南,酣宴於桓子野家。謝鎮西往尚書墓還,葬後三日反哭。諸人欲要之,初遣一信,猶未許,然已停車。重要,便回駕。諸人門外迎之,把臂便下,裁得脫幘箸帽。酣宴半坐,乃覺未脫衰。
王、劉の共に杭南に在り、桓子野が家にて酣宴す。謝鎮西は尚書が墓に往きて還ぜるに、葬ぜる後の三日にして反哭す。諸人の之を要えんと欲せるに、初に一なる信を遣わせど、猶お未だ許さず、然れど已に車を停む。重ね要うらば、便ち駕を回す。諸人は門外にて之を迎え、臂を把りて便ち下ろさば、裁かにして幘を脫ぎ帽を箸けるを得る。酣宴の半坐にて、乃ち未だ衰を脫がざるを覺りぬ。
(任誕33)
謝裒