簡文かんぶんさま、孫綽そんしゃくに聞く。
「袁喬えんきょうはどんな人物だと思う?」
「彼を知らない人でしたら、才能やべえ。
そう評価するでしょう。ただ、
彼を知る人でしたら、あの性格はない。
そう評価するでしょうね」
簡文問孫興公:「袁羊何似?」答曰:「不知者不負其才、知之者無取其體。」
簡文は孫興公に問うらく「袁羊は何に似たらんか?」と。答えて曰く「知らざる者は其の才を負わず、知れる者は其の體を取れる無し」と。
(品藻65)
袁喬
文人としても将としても才覚のあった人のようだ。論壇人としても、劉惔りゅうたん王濛おうもうの次くらいの位置には付けている、と言う評価ではあった。かなり桓温かんおんの信頼も得ていたようではあるのだが、その性格について晋書は一切語っていない。性格最悪だけど頼りになる副官とか、平時には絶対側に居てほしくない。