共に論の表明には長けていたが、
能弁か、訥弁かという違いはあった。
何せ殷浩さんは口が上手い。
ものすっげー上手い。
だから、めっちゃ語る。
速い。
オタクか。
そんな殷浩さんの口ぶりを聞くにつけ、
ぼそっと殷融がツッコミを入れるのだ。
「お前、私の論を思い出しなさいよ」
たぶんそこには、殷浩さんの論に対する
反証が載っていたのだろう。
っが、それを聞いて殷浩さんが
どう振る舞ったか、の結果は
残されていない。
江左殷太常父子,並能言理,亦有辯訥之異。揚州口談至劇,太常輒云:「汝更思吾論。」
江左の殷太常が父子、並べて能く言理せど、亦た辯訥の異有り。揚州が口談の劇しきに至るに、太常は輒ち云えらく:「汝、更にして吾が論を思うべし」と。
(文學74)
父子
この時代、父世代と子世代が一緒にいたら、それで親子的に扱われる。
「