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「甲斐田皇雅vs魔人族序列1位ザイート」2

 「...ぐふぅ!!」


 ザイートのうめき声からやや遅れて、建物に激突してそれが崩壊する音が響いた。さらに複数の建物を巻き添えに壊れていく様を眺めながら俺はぺッと唾を吐いた。すぐさま崩壊した建物から出てきてここに戻ってきたザイートに中指突き立てながら言葉を吐き捨てる。


 「何が様子見だ?何が想像以上だ?本当は分かってんだろ?俺相手に様子見とか余裕かます場合じゃないって。もう温存もクソもねぇーんだよ!

 そっちがまだ様子見だって舐めプし続けるってんなら......こっちは今すぐ本気出して殺すぞ?」


 温度の無い声で恫喝気味に言って、ステータスプレートを取り出す。腹を擦りながら不敵な笑みを浮かべるザイートにそれを投げ渡す。同時に「鑑定」で奴の本当のステータスを見破った。今なら文字化けも発生なく正式な数字が出てきた。


 「まぁその前に名刺交換という体で、お互いのステータスを確認しようぜ。因みに、そのプレートにある能力値は、さっきみたいに力を解除していない状態だからな?」

 「.........ほう?今のお前のステータスが……。なるほどな」


 何か納得しているザイートのステータスを改めて確認する。改めてお互い敵の情報を目にする――



ザイート 135才 魔人族 レベル800(成体)

職業 ―

体力 50269000

攻撃 20050000

防御 10307000

魔力 5000000

魔防 10530000

速さ 19050000

固有技能 魔人族武術皆伝 武装硬化 怪力 絶牢 瞬神速 瘴気強化 気配感知 存在遮断 武芸百般 見切り 魔法弱体化鎧 魔力防障壁 魔法全属性レベル9 

魔力光線全属性使用可 超高速再生 夜目 瘴気耐性 超生命体力 分裂 

限定進化




カイダコウガ  18才 屍族 レベル700

職業 片手剣士

体力 1/1000000

攻撃 99900(20276470)

防御 67810(8825000)

魔力 77380(9603500)

魔防 75110(8913000)

速さ 176260(30027000)

固有技能 全言語翻訳可能 逆境超強化 五感遮断 自動高速再生 過剰略奪 

制限完全解除 瞬神速 身体武装硬化 魔力防障壁 迷彩(+認識阻害 擬態) 複眼 夜目 危機感知 気配感知(+索敵 追跡) 早食い 鑑定 見切り 怪力 

魔法全属性レベルⅩ 魔力光線全属性使用可 武芸百般 技能具現化 未来予知 王毒 毒耐性 超生命体力 瘴気耐性



 単純なレベル・能力値ではザイートに劣ってはいるが、それでも俺に負ける気は一切ない。何故なら、そこからさらに無限に強くなれるからだ...!


 「分かるか?俺にとってはさっきのベロニカもその上のネルギガルド、もう一人の奴も格下なんだよ。そしてテメーにも負ける気がしない。この半年間で俺はテメーと一騎打ちでも勝てるよう散々鍛えてきた。絶対に俺がテメーをぶち殺す、もう決まってることだ...!」

 「お前...実力以外にも性格とかも変わったな?その自信とかな」

 「俺は変わってなんかねーよ。元の世界に帰る。それを邪魔する奴らは皆殺しだ!」


 投げ返ってきたプレートをしまうと改めて武術攻撃の構えをとる。ザイートも同じように何か武術を構えをとっている。奴の周りの空間が歪んで見える。あの時見せなかった「限定進化」を発動するつもりだ。

 ドラグニアの戦いではそれを必死に止めたけど、今回は止めねー。本気の奴を殺すつもりでここに来たのだからな!


 「さっきはすまなかったな?お前の言う通り様子見などもう不要だ。こうしてまた遭った時は、なりふり構わず全力で殺しにかかるべきだ。その為に“成体”になったんだった、完全な進化を遂げる為にな…。

 では始めようか。そして終わらせよう。お前との因縁の決着ってやつを」

 「ああ。この世界は滅ぼさせねー。仲間の誰も殺させねー。死ぬのはテメーら魔人族だ」

 「いざ、殺し合おう―――」


 そして――



 「 限定進化 」



 異世界召喚されたイレギュラーのゾンビと魔人族戦士「序列1位」…全ての頂点に君臨する化け物との――



 「 脳のリミッター60000% 解除 」



 再戦を始めた…!!




 これが…この戦いが世界の命運を決めることとなる。

 後に世界中の誰もが二人の死闘を固唾を呑んで見ることになる―――


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