『決着ーっ! 2回戦第一試合を勝利したのは、ハクト選手だー!』
『初心者大会とはいえ、明らかにテクニックの差があったのに最後によく逆転出来たな。ギリギリで相手を上回る分野を見つけて、そのまま押し込めたのが大きかったな』
会場内に決着のアナウンスが響く。
それを聞きながら、ハクトはゆっくり観客席のカグヤのいる場所まで近づいていった。
「ハクト君、二回戦突破おめでとうー!! 今度はちゃんとしたバトルだったわね!」
「ああ、ありがとう! にしても、いきなりレベル上がりすぎでしょ! 強敵だった……」
カグヤから称賛を受け止めながら、ふうっとハクトは一息つく。
明らかに初心者大会で出していいテクじゃ無い先方でこられながらも、なんとか切り抜けられて達成感を感じていた。
ふと、気づくとそんなハクトの前に、吹っ飛ばされたアリスがゆっくり近づいてくる。
「負けちゃったか……イナバ君、二回戦突破おめでとう」
「ああ、ありがとう。いい勝負だった。というか間違いなく経験値やテクだとそっちの方がまだ遥かに上に感じるけど」
「いやあ、僕もまだまだだよ。僕はただ普通の人よりフォームの使い方が上手いってだけさ。……ところで、終盤の"クイック・ラビット”だっけ? あれはあの時まで取っておいた隠し技だったのかい?」
「いや、ギリギリで思いついただけだね。フォームギア実質使い放題のお前に対してどうしても攻撃速度で超えなきゃなと思って、【インパクト】をああ使っただけ。まさか相手E消費の効果まで狙えるとは思わなかったけど」
「……なるほど。その発想力に、僕は負けたわけか」
納得したように一息ついたアリスは、ハクトに対して片手を差し出してきた。
ハクトはそれに応えるように握手をした。
「君と勝負出来て良かった。このまま勝ち進んでいって欲しい」
「ああ、言われなくてもそのつもりだよ」
そう言葉を交わした後、アリスはニッと笑って手を離す。
そしてそのままアリスが入ってきた方の入り口に向かって離れていった。
「ハクト君。そろそろハクト君もステージから出た方がいいわよ? あとがつかえちゃう」
「ああ。……あ、そうだ。カグヤ、そのままそこにいてくれない? 次の2回戦第二試合もそこで見たい。次の対戦相手の事前情報は大事だと実感したから、ちゃんと準備をしておきたいんだ」
「えー、あー……まあ確かに大事なんだけど、どうしても今やらないと駄目?」
「え? なんか都合の悪い事あったっけ? 試合は今から開始されるんだから、今みないと駄目なんじゃ」
「いや、単純に」
「ハクト君、私たちまだお昼ご飯食べて無い」
「あー……」
納得の言葉だった。
ハクトが現在時刻を確認すると、13:00を超える所だった。
10時から大会が開催されて。
そこから1試合15分で、準備とかで5分とすると合わせて20分ほど。
もちろん、20分立つ前に決着がつく事もあり得る。今のアリス戦みたいに。
で、今2回戦第一試合、つまり9試合目が終わった所なので、その他諸々の時間を合わせると、大体この時間帯になるのは納得だった。
「でも、15分位はもう誤差くらいじゃ……」
「何言ってるの、ハクト君 私の試合2回戦第四試合だから、多くても後40分位しか余裕無いのよ。もう食べに行かなきゃ!」
「カグヤだけ先に食べに行けば……」
「一緒にご飯食べる方が楽しいでしょう?」
「……まあ、そうだね」
カグヤの言葉の裏に、少しだけ寂しさのようなものをハクトは感じた。
それもあって応じたが、ハクト自身も一人で食べるご飯の寂しさは心当たりがあった。父も兄もいない場所で食べる食事。
次の試合を見れないのは残念だが、それよりも食事を一緒にした方が大切かと納得した。
「分かった。じゃあ行こっか。ちょっと通路で待っててくれる?」
「うん!」
そう言ってハクトはコートから出て、カグヤと合流しにいった。
☆★☆
「……で、食堂に着いたわけだけど」
「そこそこ混んでるわね。でもまあ、席が無い訳じゃ無いわね」
お昼のピークの時間は過ぎているのと、まだ他の試合自体は進んでいるため観客席に残っている人が多いのも理由だろう。
ハクト達はそう納得して、早速食券を買いに行った。
食券機は2台並んでいて、意外とメニューは充実している。
「んー、そうだね。まあ午後も試合があっていっぱい動きそうだし、ここはがっつりカレーライス大盛りでも」
「ハクト君、ここの食堂のオススメにカレーうどんってあるわよ」
「お前それ”白”ウサギパーカー着ているやつに言う?」
「こぼせばカレーライスも一緒でしょ」
まあそうだけどさー、と言いながらもハクトは普通にカレーライスを選択。
カグヤも既に何かを頼んだのか、食券を取り出していた。
「私ももう買ったわ。でもこれちょっと時間かかるかも」
「よし。じゃあ多分俺が早く貰うだろうから、先に場所取りしておくよ。食券取り替えてもらったら、あそこらへんの席に集合でいい?」
「分かったわ、ありがとう」
そう言って、ハクトは特にトラブル無くカレーライスを貰った後、約束の席に座って場所取りをしていた。
それから食事を開始せずにカグヤを待って数分経った。
「さっき言ってたけど、そこそこ時間かかってるな。ラーメンとか茹でる系かな?」
「ハクト君、お待たせー!」
「おー、カグヤ。結局何頼んで……」
ジューッ!! ジューッ!! ← (肉汁がめっちゃ焼ける音)
「骨つきステーキ 450g!!」
「とんでもないもの頼んでやがる!? 食堂とは!?」
ハクトは戦慄した。
この女、自分以上にガッツリ食おうとしてやがる。
「ちょっと待ってカグヤ! そんなの食券機のメニューにあった!?」
「知らないの? ここの日替わりメニューで頼んだら今日出てくるわよ」
「日替わり!? 日替わりメニューにステーキ入れてるのこの食堂!? いや期間限定という意味ならあり得るかもしれないけど……にしても豪華過ぎでしょ!? それいくらした!?」
「3000円くらい」
「たっか!??」
こんなの専門のステーキ屋で頼むべき代物だろ。ハクトはそう思った。
とうのカグヤは特に気にせず座席に座り、鼻歌歌いながらマイペースにステーキソースをかけ始めていた。
くそう、ソースのいい香りがしてめっちゃ気が散る!
「ん? ハクト君欲しい? 少しあげようか?」
「いや、いい。それと同じぐらいの値段の交換出来るものないし」
「まあそう言わずにー。……と言うか、試合時間から余裕を見て後30分くらいで私が食べ切れると思う?」
「じゃあなんで頼んだそんな大盛り!?」
「だってこれしか選べる量なくて、食べたかったもん!」
たくしょうがないなあ、まったくもー! そう言いながら、カグヤからステーキを少し貰うハクト。
まあ高いステーキ食べられるのは役得と思うことにした。
値段の差は一旦忘れよう、今度何かで返せばいい。
ハクトもカレーライス大盛りにしていたが、ステーキカレーと考えれば十分食べ切れるだろう。
「やっぱり料理は焼いたものじゃ無いとねー」
「焼いたもので、こんな場所でステーキ出てくる時点でぶっ飛んでるけどね。カグヤ、もしかして肉好きなの?」
「ん? まあね。でもお肉は好きだけど、焼き魚とか卵焼きとかも結構好きよ。火を通してるなら割となんでも好きだし、自分で焼いたりもするし。あ、ちょっと違うかもしれないけどバーベキューとかすっごいお気に入りだわ!」
「へーなるほど。……あ、ちなみにラーメンとかうどんとかは?」
「食べるのは好きよ」
「ふーん。じゃあ自分ではそっちは作らないと」
「ハクト君」
「うん?」
「水物って料理するものじゃ無いと思うの」
「うん??」
……カグヤのその返答に何か引っかかるものを感じたが、とりあえず今は気にしないことにしたハクト。
なんか変な回答が来そうだったから。
そんなことよりさっさと食べないとカグヤの試合が始まってしまう。
「それより、ハクト君の方は家で料理するの?」
「うん。料理に限らず当番制で、平日はケンジ兄と交代で家事をやってる。土日は父さんが帰ってくるから、その時は父さんも加わるけど」
「あれ? じゃあお母さんは?」
「父さん曰く、家出て行ったって。どこまで本当かは知らないけど」
「そ、そっか……ごめんなさいデリケートな話題に触れちゃって」
「別にいいよ。気にしてないし、それより早く食べきろう」
「え、ええ」
そう言って、残った食事を続けるハクト達。
そんなハクト達を、遠くから見ている男達がいた……
☆★☆
「ふう。お腹いっぱいね!」
「そうだねー。とりあえず、なんとかカグヤの試合に間に合いそうで良かった」
通路をハクトとカグヤは歩いていく。
もう暫く歩くと、観客席に続く通路と分岐するためそこで別れることになる。
「あんなに食べて、すぐ試合って大丈夫なの?」
「大丈夫! きっちり次も勝ってくるから! その代わりしっかり見ていってね!」
「分かった、観客席から応援してるよ」
「……あ! いた! おい、そこの二人!」
「ん?」
「はい?」
通路を歩いていると、目の前から謎の少年が大声を掛けてきた。
緑色の髪で、年齢は自分達と同じくらいの少年だ。
「お前らプレイヤーネーム、ハクトとカグヤの二人だよな!」
「そうだけど、君は?」
「オレは亀鉄キテツ! プレイヤーネームがキテツで、本名は浦島亀鉄ウラシマキテツだ!」
「必要ないのに、いきなり本名明かしてきたんだけどコイツ」
「そうね、アリス君と違って説明する必要なかったもんね」
唐突に本名で自己紹介してきた少年に、ハクト達は微妙に冷めた目で見ていた。
さっきからやたらテンションが高そうな少年だった。
「自己紹介は大事だろ! そっちの名前は!?」
「えー。まあ、因幡白兎イナバハクト」
「私は卯月輝夜ウヅキカグヤよ」
「そうか、よろしくな! 今日は宣戦布告に来た! 特に白兎ハクト、お前だ!」
「宣戦布告?」
「あ! ハクト君トーナメント表!」
その言葉に、先に意味に気づいたのはカグヤだった。
カグヤはスマホを見て、今回のソロトーナメントの表を確認した。
「やっぱり! 2回戦第二試合の勝利者、キテツ君! つまりハクト君の3回戦の相手よ! 」
「マジか! 結局試合を見れなかったけど、コイツが勝ち上がってきたのか!」
「そう! その宣戦布告と、言いたいことを言いに来たんだ!」
「え、何が?」
というか今日は宣戦布告に来たの"今日は"って、もう当日なんだけど……
宣戦布告はまあ意味は分かるが、それ以外の言いたい事って?
ハクトには思いつかなかったが……
「まさにお前が言った、結局俺の試合を見ていなかった点だ!」
「は? なんで? 俺とお前って接点全然無いよね?」
「ハクト君も知らない相手? なら友達でも無いのに、なんで怒るのかしら?」
ハクトがカグヤの試合を見てくれないなら、まあカグヤは悲しむだろう。
けれど、全く知らない相手に見てくれなかったと詰め寄られても、全然共感出来ない。
そう思ったカグヤだったが……
「知らない相手でも、次の対戦相手だったら警戒の為に見るのは不思議じゃ無い筈だ! 現に、俺もハクトの2回戦第一試合をさっき見ていたんだからな!!」
「まあ、それは分かる。確かに俺も情報得ようとして、さっき試合を見ようと思ってはいたし」
「なのに! 結局目の前で彼女とイチャついてその場から離れていったのがスッゲームカつくッ!!」
「あー。それが理由かー」
「ふえっ?!」
なるほど、ようやく理解したとハクトは思った。
要はキテツは、次の対戦相手を一切気にしてないようなそぶりを見て、軽く見られてると感じたと。
「か、彼女って!? まだ出会ってから日が浅いし! ねえハクト君!」
「いーや違うな! どう見ても彼氏彼女の距離感だったじゃねえか! 側から見ても甘々過ぎて砂糖吐くかと思ったし! オレには彼女なんていないのにさあ!」
「羨ましかった?」
「ハクト君!?」
「羨ましいです!!」
「言い切った!?」
キテツは心からの叫びを声に出していた。
彼は正直だった。
「いやー。といっても、俺も女子との距離感なんて、よく分かってないし……」
「そ、そうよね! 私も男性との付き合いなんて、学校の授業の時くらいでほとんど無いし……」
「あ、でも部活の後輩の女子と何回か出かけたりとかは……」
「えっ?!! ハクト君、彼女いたの!?」
「いや、彼女って訳じゃなかったけど。買い出しとかトレーニングを付き合うのが殆どで、異性付き合いとしては無かったなー」
「もうそのセリフで羨ましさが止まらねえええええ!!」
さっき以上の大声で心からの叫びがさらに出るキテツ。
バカ過ぎるくらい正直者だった。
むしろ微妙にちょっと涙が出ていた。
「とにかく! 白兎、お前は気に入らねえ! 次の三回戦の時、コテンパンに──」
「────やっと見つけたぜぇ」
キテツが宣戦布告を言い切ろうとした瞬間、ハクト達の後ろから新しい声が聞こえてくる。
「今度は何? 次から次へと」
「あっ!?」
「誰だ!? 今オレが先に話してるんだけど! 後からにしろ!!」
振り返ると、見知らぬ男が3人そこに経っていた。
多分年齢は自分達よりちょっと上、高校生ぐらいか? とハクトは予想を立てていた。
そして気になるのは、カグヤの反応。
「カグヤ、知り合い?」
「知り合いっていうか……この間ハクト君とぶつかった日、"不良的な面倒臭いやつら"に絡まれたって言ったでしょ。その時の奴らよ!」
「ああ。そういえばあの日元々逃げてたって言ってたっけ」
カグヤの話を聞き、不良達3人組を見る目を細めるハクト。
その目は敵意が高まっていた。
「ヘッヘッヘ。あの日は俺たちがナンパしてやったっていうのに、すぐ逃げ出されたからなぁ」
「まさか、こんな場所で会うとは思わなかったがなぁ」
「この鮫田三兄弟の誘いを断った事、後悔させてやるぜぇ」
不良達3人がそれぞれ話だす。というか兄弟だった。
なるほど、確かにどう見ても不良的な奴らだった。
ハクトはカグヤの言葉に完全に同意見だった。
「カグヤ、お前面倒臭い奴らに絡まれてたんだね……」
「そうなの! 完全に撒いて、もう合わないだろうと思ってたのに! なんでこんな場所で会うのよ!」
「たく、なんだよ後から割り込んできて盛り上がって……って、よく見るとお前ら、確か1回戦で敗退してたメンバーじゃねえか? オレ、チラッと見たぜ?」
キテツの言葉に、ハクトはそういうことかと納得した。
要はこいつらも同じ大会に出ていたというだけだった。
変な偶然というか、なんという不運。
「そ、そんなことはどうでもいいんだよ!! ちょっと手加減しただけだ! んなことより、目の前の赤髪の女に用があるんだよ俺たちは!」
「もう! まさかこんな時に絡んでくるなんて……」
ただでさえキテツの話で時間が経っていたのに、ここに来て不良達の登場。
カグヤの試合開始まで後5分も無い。
「カグヤ、ステージに先に行って。もう次の試合まで時間無いでしょ? ここは食い止めておくから」
「え!? でもこれ、一応私関連の問題だし、巻き込むどころか押し付けるなんて……」
「ん? そうだったのか? ヤバイじゃねーか! そりゃあ悪かったな呼び止めて! そっちの子は先に行っていいぜ!」
こっちの状況を見て、キテツはさっきまでの態度が無かったかのように、すぐ道を開けてカグヤに通るように促した。
彼は素直な少年だった。
「キテツもこう言ってるし、カグヤももう行って。大丈夫、不良3人くらいならなんとかなるから」
「っ! 試合終わらせて、すぐ戻ってくるから!」
そう言って、カグヤはキテツの横を通り過ぎて走っていった。
これなら試合時間に十分間に合う筈だ。
「今度は逃すか! 待ちやが」
「ていっ」
「おらあ!」
「ブべッ?!」
追いかけようとする不良達。
それを一人はハクトが足払いで。
一人はキテツがキックで止めた。
それを見て残った一人はビビって足を止める。
「ここから先は通さないよ。……言っておくけど、"ギア無しの喧嘩"なら俺負ける気しないから」
「女の子一人相手に、3人がかりで追いかけるってどうなんだ? 正直ダサいと思うぜ」
「て、テメエら! 舐めやがって……!!」
ハクト達の態度に、切れる不良達。
完全にヘイトをカグヤから外す事に成功したようだ。
すると、キテツが何かに気付いたように発言する。
「ん? ああ、そういえばあそこ。確か大会用に、選手の調整用のフリーバトルルームがあった筈だな。文句があるなら、そこで決着付けようぜ?」
「上等だ……テメエらたった二人で、俺たち3人に喧嘩売った事後悔させてやる!」
そう言って、先に不良達3人はその部屋に向かっていく。
それに付いて行こうとするキテツに、ハクトは声を掛けた。
「ありがとう、キテツ。これであいつらの対処がしやすくなった。……ここから先、お前はもう殆ど関係無いからこのままバックれてもいいんじゃない?」
「何言ってるんだ。ここまで来て無関係ってのは無いだろ。俺も手伝うに決まってる」
「……一応聞くけど、どうしてわざわざ付き合ってくれるの? お前さっきまで俺の事敵視してたんじゃ? 羨ましいとかで」
「それはあるけど、それとこれとは話が別だろ? 白兎、お前の事は羨ましい。けど不良達に絡まれてる女の子は見逃せない。どっちも俺の気持ちで、両立出来るもんだろ」
「……そっか。改めてありがとう」
キテツのその言葉に、再度ハクトは礼を言った。
浦島亀鉄。
彼はどこまでも素直で、どこまでも正直な少年だった。
「そんな事より、2対3の変則マッチだ。只でさえこっちが不利な上、白兎、お前"チーム戦"の経験は?」
「……チーム戦?」
「あー、やっぱり経験無かったか。まああの部屋はフリーバトルだから、形式上バトルロイヤルの形になる筈だけど……まああいつらは普通に組んで戦ってくる筈だ」
キテツは少し困ったように言う。
話から察するに、キテツは自分よりマテリアルブーツの経験が高いんだろうとハクトは感じた。
「……よし、とりあえず白兎。お前俺の試合見てないから、俺の動き知らないだろ? 最初はこっちを気にするより、そっちの思った通りに動いてくれ。俺がそっちに合わせてカバーするぜ」
「ああ。分かった」
キテツの提案に、ハクトは素直に頷いた。
今さっき出会ったばっかりの即席ペアだ。
そっちの方がやりやすいし、何よりキテツという少年は既に信用出来るとハクトは判断したからだ。
「よし! 行くよキテツ!」
「そっちこそ! 気合い入れてくぜ白兎!」
大会中ながらも突発的なチーム戦。
十分気をつけて、ハクト達は不良達の待っている部屋に入っていった……
★因幡白兎(イナバハクト)
主人公。
白兎パーカーを着た、空を飛びたい夢を持った少年。
カグヤが不良に絡まれて、イラっとしている
★卯月輝夜(ウヅキカグヤ)
ヒロイン。
空から降ってきた系女子。
ハクト達の後押しで、試合をさっさと終わらせようと急ぐ。
★有栖流斗(アリスリュウト)
ハクトと二回戦で戦った少年。
紳士的な態度で話しかけてきた。
負けちゃったので、その辺暫くウロウロしている。
★浦島亀鉄(ウラシマキテツ)
16歳(事情により、実は一年留年している)
160cm
緑髪の短髪
秩序・善
3回戦のハクトの対戦相手。
性格は熱血漢で早とちり、けれど正義感は強い。
不良に絡まれてる対戦相手を、見過ごせない。
★鮫田長男(さめだちょうなん)
17歳
176cm
サメ色の髪
混沌・悪
プロローグ前に、カグヤにしつこく絡んでいた不良。
★鮫田次男(さめだじなん)
★鮫田三男(さめださんなん)
16歳
174cm
サメ色の髪
混沌・悪
鮫田三兄弟の次男、三男。というか双子。