お姉ちゃんと仲直りしてから1週間が経過した。
あれから私とお姉ちゃんはしっかりと話し合い、私達の中でのルールを取り決めた。
ルールと言ってもごく簡単なもので、お姉ちゃんは私を心配させる様な事はしない。私はお姉ちゃんの生活に干渉し過ぎない、ただそれだけの事だ。
私はお姉ちゃんを心配するあまり、確かに過干渉になっていたと今回の件で反省した。それは裏を返せばお姉ちゃんを信用しきれていなかったという事でもある。
お姉ちゃんの言う通り、お姉ちゃんだってもう子供じゃない。これからはもっとお姉ちゃんを信じてあげる事にした。
お姉ちゃんも私を心配させる事はしないと改めて約束してくれたし、一件落着だ。
「じゃあ、いってらっしゃい」
仲直りをしてからは以前と同じ様に毎朝、お姉ちゃんを見送っている。以前よりも門限の事やら小言を言う事も少なくなった。
それは、お姉ちゃんを信じるという事を意識し始めたからだ。
「ねぇ、葵。実は今日から放課後に生徒会の手伝いで集まりがあってさ……しばらく帰り遅くなりそう」
「えっ……」
「あ、嘘じゃないから! 本当! もし気になるなら学校に聞いて貰えれば分かるから!」
「ううん、別に疑ってないよ。何時くらいになりそう?」
お姉ちゃんは申し訳無さそうにそう言ったが、私は笑顔でそれを受け入れる。
以前までの私なら、しつこくお姉ちゃんを問い詰めていただろうが、今の私はお姉ちゃんの言う事を信じる。
心配な事は変わりないけど、ぐっと堪える。
「うーん、はっきりとは分からないけど……7時とか8時くらい?」
「そっか……」
「そんな落ち込まないでよ~、連絡くれたらすぐ返すから!」
「もう、そう言っていつも返さないじゃん。ちゃんと返してよ?」
「分かった! 絶対返す!」
私達2人は、分かり合えた。
もう喧嘩したり、嫌な思いをする事も無い。
この時はそう思っていたけれど、そんな日々は長くは続かなかった。