それから数日後、お姉ちゃんは珍しく夕方の早い時間帯に突然帰って来た。
「ただいま!」
「え? お姉ちゃん? おかえり」
「今日は生徒会が休みになってさ~、直帰してきちゃった!」
お姉ちゃんは嬉しそうにそう言う。
ここ最近はずっと働き詰めだったので、ようやくの休みが嬉しくて仕方がないのだろう。
「そうなんだ! それじゃあ今日はゆっくり出来るね」
「うん! 今日は思いっきりリフレッシュするぞー!」
流石のお姉ちゃんも今日くらいは家でゆっくりしたいのか、何処かに遊びに行く素振りすら無い。
理由はどうあれ、お姉ちゃんが家で過ごしてくれる事は嬉しい。
「じゃあ、お姉ちゃんはゆっくりしてて。お風呂沸かして晩御飯の準備するから」
「あのさ、葵!」
するとその時、リビングに戻ろうとする私をお姉ちゃんが背後から引き留める。
「な、何……?」
「久々に一緒にお風呂、入ろうよ!」
お姉ちゃんはとびきりの笑顔でそう言った。