あれから1週間程の時間が経過したが、先生からの連絡はまだない。
毎日毎日にスマートフォンをチェックしてみるが、竹島の運営するWEBサイトも特に変化は見られない。
「葵、葵!」
「え……」
「どうしたの? 顔色悪いよ?」
朝食の最中、お姉ちゃんの声で我に帰る。
あれから何をしていても竹島の事が頭を離れない。今、この瞬間も自分やお姉ちゃんの写真や映像がインターネット上で拡散されていると思うと、気持ちは全く落ち着かない。
「あ、うん……あんまり寝れなくて」
「大丈夫? 竹島先生の所行く?」
「大丈夫だから!」
竹島の名前を聞いて、反射的に大声を出してしまう。事情を知らないお姉ちゃんは、とても驚いた様子で私を見つめる。
「葵……」
「ごめん……でも、大丈夫。本当に大丈夫だから」
お姉ちゃんには何も知らせず、私が決着を着けると決めたのだ。自身の写真が不特定多数の人間に晒されている事実を知れば、深い心の傷を負う事は明白だ。
何度も嘘をつかれ、騙されても……やはり、私はお姉ちゃんの事を嫌いにはなれない。私が守らなければならない。
「うん……分かった。でも、何かあったらすぐ連絡してね」
「大丈夫……大丈夫だから」
きっとお姉ちゃんは悪くない。悪いのは全て竹島の存在だ。あの悪霊がお姉ちゃんを惑わせ、悪影響を与えている。
そもそもの元凶は全て竹島に起因する。
ならば、竹島が消えれば……全て元通りだ。