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第65話 連絡

 そしてお姉ちゃんを見送り、供物の調達も済んだ昼下がり……私のスマートフォンに着信があった。

 番号を確認すると、それは先生からの着信だった。


『もしもし、葵さん』

「先生!」

 ようやくの連絡に、私は声を張り上げてしまう。

『諸々の準備が整いました。先程メールで情報を送りましたので、その日時通りに集合して頂けますか?』

 それとほぼ同時にメールで先生宛てから文面が届く。通話を維持しながらメールの内容を確認すると、そこには地図の画像が添付されていた。

「はい……あの、私が何か準備する事は」

『今回は初回ですから、基本的には我々の方で対処します。ですので、葵さんは覚悟さえ持って頂ければそれで十分です』

「はい……」

 結局、先生は具体的に何をするのかまでは教えてくれなかった。けれど、運命を変える為には先生に黙って着いていくしかない。


『ああ……あと、服は白いものを避けてください。汚れるかもしれませんので』


 最後、先生は通話を終える前に一言だけアドバイスをくれた。この言葉の意味を、この時の私は理解する事が出来なかった。


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