竹島の死体の処理は先生の側にいた男達に任せ、私と先生は車で帰宅する事にした。
先生が車を運転して、私は助手席に座る。
「ごほっ、ごほ……」
「葵さん、大丈夫ですか?」
私が咳き込むと、先生が心配そうに顔を覗き込んでくる。
「はい……大丈夫です、少し疲れただけですから」
普段、こんな遠出をする事がまず無い為、身体に負担がかかったのだろう。
それと、もしかしたら無意識のうちに精神的な負担もかかっていたのかもしれない。
「今日は疲れたでしょう。お家までお送りします。まだこの時間なら茜さんも帰っていないでしょう」
「……ありがとうございます」
こうして2人、車に乗っていると……本当の親子みたい、だなんてこの時の私はぼんやり考えていた。