翌朝、お姉ちゃんがいつものように学校へ向かう。
「じゃあ、行ってきます」
「うん、行ってらっしゃい。今日は早く帰るんでしょ? 生徒会もバイトも無いし」
「え? あ、うん……」
私の問いかけに、お姉ちゃんは浮かない表情だ。
「どうしたの?」
「いや、今日は竹島先生に諸々相談しに行こうかと思ってたんだけど……ここ数日、ずっと連絡が無くて」
お姉ちゃんは心配そうにスマートフォンの画面を見つめ、首を傾げる。当たり前だ。竹島はもう、この世にいないのだから。
「……そうなんだ」
「どうしたんだろ……」
「さぁ、体調でも崩したんじゃない?」
あの男達が竹島の死体をどう処理したのかは分からないが、先生曰く1ミリの欠片も残さず処理する術を彼らは持っているらしい。
切って、砕いて、擦り潰して……その工程を先生から少し聞いたが、聞いているだけで吐き気を催すような凄惨な手法だった。