「はぁ……最悪」
私はお母さんの仏壇の前に供物を供え、手を合わせる。
竹島が消えたと思ったら、次はまた別の人達がお姉ちゃんの周りをうろちょろし始めた。せっかくまたお姉ちゃんと2人の生活が送れると思っていたのに、上手くいかない。
「嫉妬、なのかな」
あの2人が私とお姉ちゃんの時間を奪っている様に感じてしまう。頭では仕方の無い事だと分かっているけど、事実として私と過ごす筈の時間があの2人に奪われている。
「竹島が消えたと思ったら、次から次へと……お姉ちゃんが、どんどん遠くに行っちゃうみたい」
お姉ちゃんは友達と楽しく過ごしているだけ。何も悪く無い。けれど、心のモヤモヤは日々増していくばかり。
「ごほっ……」
体調も日に日に悪くなっている気がする。
きっと、私がお姉ちゃんと過ごせる時間にも限りがある。なのに、私はお姉ちゃんと静かに過ごす事も出来ないなんて……どれだけこの世界は理不尽なのだろう。