「え……」
『中学校までは真面目だった茜さんが何故いきなり変わってしまったか? 答えは簡単です、周りの悪い友人達が茜さんを変えたのです』
先生は私に構わず、話を進める。
『当初、パパ活のアルバイトの誘い受けた時、茜さんはやはり抵抗があったのか話を受けるか悩んでいたそうです。けれど、その悩む茜さんを説得し、最終的に仲間に引き入れたのが……亜里沙さんです』
「亜里沙さんが、お姉ちゃんを……」
『自身が罪を犯すどころか、彼女は関係の無い人達までも巻き込んで傷付けている。これが悪霊ではないのなら、彼女は一体何だと言うのでしょう?』
お姉ちゃんが竹島と映る写真を思い出す。今でも吐き気を催すし、竹島の事は今でも憎んでいる。
けれど、お姉ちゃんを狂わせた元凶が本当に亜里沙なのだとしたら……亜里沙の事も許す事は出来ない。
『彼女は悪霊です。茜さんを狂わせた元凶です。それに、彼女は繋命会の供物についても知ってしまった。そうなれば……我々がする事は1つ、早急に彼女を除霊をするしかありません』
「……はい」
亜里沙は私の初めての友達だ。大切で、守りたい存在だ。けれど、亜里沙がお姉ちゃんに害を及ぼすのなら……話は別だ。
お姉ちゃんを狂わせる友達なのだとしたら、私は亜里沙との友情なんていらない。今後、友達なんてとものも必要ない。
この瞬間、私の中で友達である亜里沙は死んだ。
これから対峙するのは……悪霊に堕ちた哀れな元・人間だ。
「では、早速取りかかりましょう。この前と同じように準備はこちらで進めておきますので後日、日時と場所を……」
「先生」
「はい?」
「今回は、私主導で除霊させて頂けませんか?」
ならば、せめて私のやり方で除霊してあげよう。
元・友達として……私に出来る最後の弔いだ。