翌日。私は早速、亜里沙を家に呼び出した。
「こんにちは! お菓子たくさん買ってきたよ!」
「ありがとうございます!」
私はコーヒーを淹れながら、亜里沙に会釈をする。
「でも、どういう風の吹き回し? 葵ちゃんから勉強に誘ってくれるなんて初めてじゃん」
「あ、はい。勿論、勉強もそうなんですけど……詳しく聞いてみたくて。例のアルバイトの話」
「あ……うん。やっぱり興味ある?」
「……少し」
亜里沙は少し気まずそうな顔をするが、すぐに普段の笑顔に戻る。亜里沙も、私へパパ活を紹介する事に対しては罪悪感を少なからず感じているのかもしれない。
「分かった。これからする話は当たり前だけど誰にも言わないでね。その約束が出来るなら葵ちゃんにも紹介するよ。勿論……茜にも言わない約束だよ」
「はい、分かってます」
「じゃあ、話を進めよっか」
「お願いします。あ、その前にコーヒー淹れたので飲みませんか? 砂糖いりますよね?」
「あ、うん。覚えててくれたんだ、ありがとう!」
「だって、家に来るのもう何回目ですか」
こうして、亜里沙と笑顔で会話する事も……今日、この瞬間が最後だろう。