お姉ちゃんを怒らせてしまった。
私は救いを求めるかのように、すぐに先生へと電話をした。
「先生、私……どうすれば」
『それは、まだ茜さんの近くに悪霊が潜んでいる証拠です』
「まだ、いるんですか……悪霊が」
『ええ、本来の茜さんなら葵さんと一緒に過ごせる事を誰よりも喜ぶはずです。けれど、今の茜さんはそうではない』
私と一緒にいる時間を、お姉ちゃんも楽しんでくれていると思っていた。
いや、本来のお姉ちゃんならそう思ってくれていたはずだ。けれど、お姉ちゃんは悪霊の悪い影響を受けてしまっているのだと先生は言う。
「はい……」
『最愛の妹との時間すら楽しめない茜さん……可哀想に。やはり早急に悪霊の居場所を突き止め、除霊する必要がありますね』
先生は冷たくそう言い放つ。
「はい……そうすれば、お姉ちゃんは元に戻るんですよね?」
『ええ、悪霊が全て除霊されれば全て元通りに戻りますよ』