翌朝、私は学校に登校した。

　昨日は1日中眠っていたので、そのおかげで体調も良くなっていた。

「茜！」

「玲くん……」

　廊下を歩いていると、玲くんに呼び止められた。

「体調は大丈夫なの？　連続して休むから心配したよ」

「うん、もう大丈夫……亜里沙から連絡はあった？」

「いや……」

「そっか……」

　期待はしていなかったけれど、やはり亜里沙の件は進展していなかった。

「茜、今日の放課後は暇？」　

「え、まぁ……」

「遊ぼうよ、久々に」

「え、でも……こんな時だし」

「こんな時だからでしょ。茜、酷い顔してるぞ。ここ最近外にも出てなかっただろうし、気晴らしも必要でしょ？」

「でもさ……」

　とてもそんな気分にはなれなかった。

　亜里沙がこんな事になっている最中、私だけ遊ぶだなんて……何だかバチが当たりそうだ。

　それに……次に消えるのは私かもしれない。もし、誰かの手によって竹島先生や亜里沙が行方不明になっているのなら……怖くて外を出歩く気にもなれない。

「外が怖かったら、俺の家来る？」

「え、玲くんの家？」

「うん、親もいないし大丈夫。それなら安心でしょ？」