するとそのタイミングで玄関のチャイムが鳴る。
「あっ、二人来たかも」
と、あたしが出そうになると。
「ん。いいよ。オレが出るから」
抱き締めていた手を崩し、そのままあたしの両肩にそれぞれ両手でポンッと触れ、理玖くんが玄関まで迎えに行った。
その間にあたしも残りの料理を盛り付けし、テーブルに並べていく。
「おー。沙羅来てたのかー」
「あっ、颯兄」
そして部屋に入ってきた颯兄が早速声をかけてくる。
「沙羅ちゃん久しぶり~」
「茉白ちゃ~ん久しぶり~」
そして久々に会う茉白ちゃんとも再会を喜び合う。
「えっ、これ沙羅ちゃんが作ったの!?」
テーブルに並んだ料理を見て茉白ちゃんが反応をする。
「あっ、うん。茉白ちゃんの腕前に比べたら全然たいしたもの作れてないけど」
「えー、そんなことないよー。すごーい! 美味しそう~♪」
茉白ちゃんがテーブルの上の料理を笑顔で嬉しそうに眺めている。
「沙羅。そういいながらもまた腕上げたんじゃない?前よりめちゃクオリティ高くなってんじゃん」
「え、颯人くん前に食べたことあるの?」
「あぁ。最初に練習しまくってた時に実家で食べたことあるんだよね」
「えぇ~そうなんだぁ~。沙羅ちゃんの料理楽しみ~♪」
颯兄と茉白ちゃんが相変わらず仲睦まじく二人で話している。
あたしはそんな二人と共に理玖くんを気にしながらいると。
「まずはビールでい?」
「おぉ」
颯兄が理玖くんに返事したあと。
「沙羅は? ビール飲む?」
冷蔵庫でビールを取り出しながら、キッチンにいるあたしに声をかける。
「えっ? あっ、あたしは料理もう少ししたいからあとでいいや」
「そっ? もうあんだけ作ってくれたら十分だから沙羅ももう来い。一緒に食おうぜ」
「あっ、うん」
理玖くんはそんな二人に特に気にもしない感じで、あたしに話しかけてくれる。
それからあたしは残りの料理をテーブルに並べて、皆で乾杯し、料理を皆で食べ始める。
「うわ~これ美味しい~!」
「だろ? それさっきあまりにもウマそうだったから先につまみ食いした」
「え、お兄ちゃん先につまんだの?」
「うん。待ちきれなくて。あっ、あとそれ、オレのオススメ。マジそれ食い出したら止まらなくなる」
理玖くんは作ったあたしより先に、茉白ちゃんに一つずつ料理を説明していく。
「フフッ。お兄ちゃんのそんなワクワクしてる姿初めて見た」
「えっ? そう?」
「っていうか、前にももしかして沙羅ちゃんの料理食べたことあるの?」
「あぁ。前にも作ってもらった。てか沙羅。前よりこれもっとすげぇウマくなってる」
隣に座っているあたしに前作った料理を食べながら伝えてくれる理玖くん。
「あっ、ありがとう……」
「なぁ沙羅。これもすげぇウマい。またこれ今度も作ってよ」
「えっ、あっ、うん」
「このソースは? これも作ったの?」
「あっ、そう。市販のソースより、このオリジナルのがこの料理美味しいらしくて」
「確かに。オレこのソース好きだわ。これさぁ他に肉とかにかけてもウマくね?」
「あぁ。そうだね。今度いろいろアレンジして作ってみようか?」
「おぉいいね~。楽しみ。あっ、あとこれさ。前行ったあの店にあった料理に似てない?」
「そうだよ。前に理玖くん好きだって言ってたから同じようなの探して作ってみた」
「マジで!? それすげぇテンション上がる~」
理玖くんが料理を食べ進めるごとに、感想を言ってくれて話も弾む。
「なぁ。ちょっといい?」
すると向かい側から颯兄が声をかけてくる。
「今日ってオレらのために開いてくれた会だよな?」
「そうだけど?」
「にしてはお前らオレらほったらかしすぎじゃね?」
「あぁ~。悪い。料理ウマすぎてお前らのこと忘れてたわ」
「おい、理玖」
颯兄と理玖くんが今度はそんなやり取りをし始める。
「で。茉白がすげぇ二人の仲不思議に思ってるんだけど」
そう言われて茉白ちゃんを見ると、確かに茉白ちゃんがあたしと理玖くんのやり取りを見てキョトンとしている。
「あぁ~。そうだな。今日はそれ伝えるためでもあったんだ」
颯兄に言われて、忘れてたと言わんばかりの雰囲気でようやく思い出したかのように答える理玖くん。
理玖くんから颯兄はあたしたちのことを知っていることは聞いた。
それを聞いた時、あの早川くんも居合わせた居酒屋で颯兄と話していて、理玖くんがあたしへの気持ちに改めて気付いたことも教えてくれた。
颯兄には一日でも早く伝えたいからとすでに伝えたらしいから、颯兄はこの状況も把握しているみたいだけど、さすがに茉白ちゃんは初めての光景で、茉白ちゃんを見ると確かに唖然としていて少し不思議そうにしているのがわかる。