「失礼な~!」
何太后さまは僕の不満……。そして大変に失礼極まる問いかけを聞き。やはり憤慨しながら言葉を返してきた。
でも直ぐに彼女を鬼のような形相を暗く、悲しい顔へと変化させ。
「
と不満を更に告げてきた。
でも僕も何太后さまから聞いた話は大変にショックで……。結婚後も彼女に浮気をされるのではないか? と猜疑心のある目で見るのも仕方がないことだと思うから。
僕はフン! と鼻息荒く、歳相応のジェスチャーをプイ! とすれば。
「今の近代的で平穏な日本で暮らすあなたには……。あの当時の後宮の女達……。そう、時の権力者達に囲われ、媚びを売るしかない妃達は。主が何かしらで他界でもすれば、自分や子の身を守らないといけないので。次の権力者や自分達を庇護してもらえそうな有力者に己の身を任せ、媚び、諂うのは当たり前のことじゃ、た……。それが自分の好いていない異性であろうともじゃ……。またそうしないと、後宮の女であろうとも遊女として売られることもあるし。自分が産んだ子や自分自身も殺され、丸裸にされ、城外に屍を放置される酷い仕打ちに遭うことも多々あるからじゃ、あなた……」
何太后さまは大変に悲しい顔、声音で僕へと昔話を話してくれた。
しかし僕は何太后さまの話を聞いて! でも
僕は「ごめんなさい」と何太后さまへと素直に頭を下げ、謝る。
「だから朕は女神の前……。悪霊化する前の人の頃……。己の身と小霊帝の身を守るために、董卓とも交わっていた。そして機嫌取りもした……。それでものぅ、
何太后さまは、にへらと笑いながら悲しそうな声音で教えてくれた。
(ここまで)
「そ、そうだったの、
「ああ、そうじゃ~。そうなんじゃよ~」
僕が尋ね返すと何太后さまは、遠くを見詰めるように、と言うか? 先ほど前世の僕が彼女の首を絞め、落とした場所……。
そう僕と前世の僕とが、高貴な若い親子を助けるためにタイマンを張り、殴り合いをした場所を懐かしそう……。
でも寂しそうな眼をしながら見詰めつつ、三国志好きの僕が知らないことを教えてくれた。
だから僕は「知らなかった」と我が家の駄女神さまへと告げれば。
「三国志の物語では記載されてはいない、切ない恋話だからのぅ~。近代生まれの
「そ、そうだよね。あっ、ははは」
僕は今何太后さまの話を聞き──。彼女が何故? 真夏の世の
今の何太后さまの説明を聞き、理由がわかったのだ。
(済)