そう何太后さまはやっと李儒の転生者である僕と波長が合い、自分の寂しさ、悲しさを紛らわすために。毎夜僕の許へと尋ねてきては甘え、自分の寂しさ、悲しさを紛らわしていた。

　なのに？　僕はキョンシー化している何太后さまのことを怖がり、畏怖……。いつも彼女がくれば避けて、暴言を吐いたり、悪態を続けていた。

　僕自身の身体が生気を吸われ気だるいよりもスッキリ！　ポッキリ！　としていた癖にさ。

　だから僕は不味いな？　と思うから。何太后さまへと笑い誤魔化してみた。

『ごめんなちゃい』とね。

　しかしだ！　僕の目の先では、我が家の何太后さま駄女神さまの身体が馬上でプルプルと震えだし始めだしたから。

　あっ！　不味い！　やばい！　と思えば。

「……な、なのに、李儒理樹、貴様は～、朕のことをあの城壁の上で殺した。そして城壁から落とし捨て、朕のことを裏切った……。だから朕は、そなたのことを許さん～。たた斬ってやる～」

　何太后さまは僕へと『えぇ～、そっち～！　前世のことで怒っているの～？』と、僕が彼女へと尋ねたくなること……。現世のことではなくて、前世のことを『ブゥブゥ』よ豚ちゃんになって恨み辛みを告げてきた。

　でも僕は前世のことなど知らない。覚えてもいない。

　だから僕達夫婦の目の前で片足は無いけれど。それでも暴れ狂う、悪霊化……。ボスモンスター化した悪しき僕に対して。

『何かー！　不満を言えよなー！　わかったかー！』と悪態をつきたい衝動に駆られるけれど。

　僕は小利口さんであり。今は異性に対して優しい日本人として産まれ変わっている訳だから。

「ごめんなさい、ゆるしてください、何か～、愛しているから～。嘘偽り無く～。本当に今度こそ愛しているから～。そして二度と殺したりはしないよ～。僕が一生賭けて償うから許して～。おねがい～！」

　僕は何太后さまへと照れ恥かしがりながら不満を告げる訳でもなく、素直に愛の告白を前世と合わせると二度になるのかな？　彼女の許しを乞うためや御機嫌取りをする訳でもなく素直に告げ。今度こそ彼女のことを幸せにするからと決意を告げました。

《ポッ！》

　だから何太后さまは、お馬ちゃんの上で地団駄を踏む行為を辞め、自分の頬……。あの雪のように白い頬を桜色に染め。

「李儒理樹と朕は生前から赤い糸で結ばれている仲じゃから。朕はそなたの愛の気持ちと告白……。婚姻の申し込みを素直に受け取り、嬉しくおもうぞ……。それに朕のお腹の中にはあなたとの愛の結晶が……（ポッ）」

　何太后さまは意味不明なことを僕に告げると、勝手自分の頬を更に桜色に染めながら、照れ恥かしそうに指をモジモジしながら、肢体の方も蛇のようにクネクネ動かし始めるから。

「えっ！　今何太后さまが僕へと言った意味深な言葉はどう言う意味なのかな？」

　僕は乙女のように恥じらう何太后さまへと、自分の顔色を変えながら尋ねた。

　しかし我が家の何太后さま駄女神さまは、「そう言うことじゃ」としか、伴侶の僕へと教えてはくれなかった。

　だから僕は何太后さまの意味深な言葉が気になって仕方がなかったのだ。

　◇◇◇

（済）