でも張角大師……。
「では~、みなさま~。また遊びましょうね~」
僕達に再度ニコニコと満身の笑み……。女神の微笑みをくれながら手を振り──終焉すれば。
「みなぁ~。撤収~! 撤退~!」
張角大師は自分の臣下の将達へと下知をくだし、みなは応じて踵を返せば。
「「アディオス~」」
「さようなら~」
「また明日~」
「また会う日まで~」
まあ、相変わらずふざけた様子で、僕達にバイバイを告げると黄巾党は一斉に退却を始めだしたから。
僕は敵の退却する様子を見て、ほっと胸をなでおろし。自分の脳裏で、本当に死者がでなくてよかった。よかった……。本当に助かった……と思う。
「あっ! そう言えば?」
僕が退却を始めた黄巾族達……。田舎のヤンキー姉ちゃん達……。地方の暴走族達の後ろ姿を見詰めつつ安堵していると。敵の先頭を優雅に飛ぶ張角大師の動きが急に止まり。彼女の口から思い残しが漏れると。張角大師は僕達の方へと顔の向きを変えてきた。