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第28話 大人なお楽しみ

【ホテル勉強部屋】

「あ、上がったぞ…」


亜沙美がベッドの上でアレコレ考えている内に、亜沙美の後からお風呂に入った太一が出てきた


「へっ!?ちょっと、ナニ言ってんのよ!」


亜沙美は太一の言葉に、かつて父親が生きていた時お風呂から出てくると決まって「上がったぞ」と言うのがお決まりのセリフだった

その為、風呂上がりの太一が父親と同じ言葉を言ったので、思わず自分(あさみ)と太一が夫婦関係みたいだなと感じてしまった亜沙美


「俺、何か変なこと言ったか?」


もちろん竹取家のそんなやり取りなど知るハズもない太一からしてみれば、何気ない言葉にそんなツッコミを入れられる理由など見当もつくハズはないのだが…


「あ!ごめん…お父さんのよく言ってたセリフそのままだったから、私らは夫婦じゃない!ってーの!…って思っちゃった…あはは(汗)」


「そうだったのか………って!何で俺と亜沙美が夫婦関係なんだよ!……ってか、お前何だよ、その格好は!?さっき着てたセーラー服はどうしたんだよ?」


亜沙美はキャミソールと下着だけの姿でベッドに座っていた。ただでさえ予期せぬラブホ内に居るというのに、そんなに露出の高い姿を見せられては太一が焦るのも当然だ


「だってー仕方ないじゃん。さっきのセーラー服エナメル製だから…下着の上に着ると肌にチクチクするんだもん!…それとも何、私のバニーガール姿とか、ナース姿とか、女王様姿とかが見たいって言うの?(笑)」


「ば、バ、バカヤロウっ!…あ、亜沙美の貧相な身体なんか見たってなぁ…興奮する訳ないだろーがよ(汗)」


「ちょっとぉー!ソレは酷いんじゃないのっ!…でもさ、だったらこの格好でもよいでしょ!」


「はー………まったく、ああ言えばこう言う。のは昔から変わらねーな…やれやれ好きにしてろよ」


照れ隠しで「貧相な身体」と言った太一だが、彼が顔を真っ赤にしているのを見れば…苦し紛れの言い訳をしているだけ。というのは容易に推察できるのだが…異性交友の経験値の低い亜沙美に、そこまで理解出来るハズもない。どころか、そもそも人付き合いが足りないのだから…


……………………………………………

(10分後)

「良いよ太一。コッチ見ても」


「そうか……でぇ!?お前、スカートまだ履いてないじゃないか!どういうつもりだよ!」


ツヤツヤの亜沙美の色白で、綺麗な太ももが投げ出されているその光景にドギマギしてしまう太一


「どういうつもりって…乾いてスグのスカート履いて座ってたら、スグにシワが付いちゃうんだよ?せっかく部屋借りたのに、シャワーだけしてスグに帰るともったいないじゃない?」


「そうなのか?……あぁ最低料金が2時間で4000円か……入ってから…まだ40分か…確かにもったいないな」


「部屋に入ってスグの所に料金表が貼ってある」と受け付けのオバチャンが言っていた。2人とも入ってスグにソレをチェックするだけの精神的余裕がなかったので、確認するのが今になってしまった


「太一はさ、ラブホテルに詳しかったりする?」


「バッカ!んな訳ないだろう!」


「あははꉂꉂ(´▽`)だよねー。せっかくだからさ、どんな設備があるのか知っておきたいじゃない?次、こんな所に入る機会なんていつ来るか?わかんないんだしさ」


「それも…そうだな。そういや、なんでこのベッドまん丸な形してるんだろうな?」


「ん!?このスイッチは…何だろう?」


太一がベッドが丸型なのを疑問に思っていたが、亜沙美はベッドの隅(すみ)にあるボタンを見つけて…押した!


すると、部屋を照らしていた昼白色のライトは…ピンク色に変わり、ベッドが静かに回転を始めた


「うわっ!な、何なんだ?」


焦る太一。スイッチの脇に薄い本(解説書)を見付けた亜沙美は目を通した


「えっ!?お2人の激しい合体行為をドラマチックに演出する3っつのサービスぅ!?」


「何だってー!?」


「1。ムーディなライトと回るベッド

2。部屋とお風呂場の大硝子をマジックミラーに変えて覗きのスリル

3。2人の合体を録画して想い出に(有料)」


「マニアックだな、ヲイ!!」


「マジックミラー?………ちょっと太一!私が入っていた時、まさか……覗いてなかったでしょうね?」


「覗いてねーって!そんな機能があるって事を今知ったんだからさ!」


高度で大人なお楽しみに、慌てふためく2人。高校1年の奥手な2人にはあまりにも刺激的な部屋だった




続く

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