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第44話 立華パパの思惑

【立華家の朝】

「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」


突然2階から、天をも切り裂かんとするように聞こえてきた梨香の悲鳴に驚いた亜沙美


「えっ!?…な、何?」

「梨香の声だね…」


「私、2階に行きますっ!」


梨香の父親と話していた亜沙美だが、突然聞こえてきた梨香の悲鳴に思わず階段を駆け上がった




【梨香の部屋】

「な、な…何で太一君が居るの!?」

「お、お前。それより速く何か着ろ!」

「へっ!?……あっ?…イヤアアァァァァアアアァァァァアアア!!!」


太一に言われて梨香は自分の身体を見た…完全に全裸だった。俯いて寝ていたので大切な部分は見られずに済んだ。もし仰向けに寝てたら大変な事になっていたかもしれない

「ガチャ!」

その時、勢い良くドアが開かれ亜沙美が入って来た!


「竹取さん!?」

「あっ!コレは…」

「えっ!?……太一ぃ!アンタ何してんのよ!

( º言º)o彡°)゜3゜)'∴:.ぐはっ!」


亜沙美のストレートを顔面にもらい吹き飛ばされる太一




【リビング】

リビングとは言っても立華家は豪邸と言っても良いくらいの大きな家なので、その部屋の広さは16畳と凄い広さだ。しかし、嫌味な調度品や高級絵画とかの類(たぐ)いは無いあたりから、成金趣味とかではないようだ。が、その室内は気まずい空気が充満していた


「浅宮君…顔、大丈夫?」


「痛つつつ…亜沙美のストレート、思ったよりも強烈だったよ。歯が折れたんじゃないかと思ったわ」


「それは太一が裸の立華さんを…」


「ごめんなさい。あの、私…何も着ないで寝ると凄く気持ち良く寝られるから…その…ごめんなさい」


温泉旅行には、立華家で朝食を頂いてから出発する予定にしていた。なので今、使用人の佐藤さんが用意してくれた少し豪華な喫茶店なみのモーニングセットが、みんなの前に並べられている


あれからキチンと着替えた梨香が、その用意されたコーヒーを持ちながら裸で寝ていた理由を話していた


「えっと…私も聞いたことあるよ…確か、どこかの人気VTuberが【ノーパン健康法】っていうのを推奨してて、下着の締め付けをなくして寝ると、血行が良くなって身体に良い。ってヤツだよね?」


太一と母親以外には内緒でVTuberをしている亜沙美は、予備知識として他のVTuberで人気の高い人の配信を見まくって研究していたので、そこからその知識を得ていた


「ご存知でしたか。その通りなんです。それで昨夜も何も着ないままで布団に入ってしまって…」


「お嬢様が全裸睡眠をし始めてからシーツの洗濯が少し大変になってしまいましたけど…お嬢様が健康的であられるのなら構いませんのですが…」


「佐藤さん、ごめんなさい。お手数掛けてます」


「それは構わないのですが…旦那様…」


「( „❛ ֊ ❛„)んっ?何かな?」


確かに全裸で寝ると布団が汚れるのが早くなるので、使用人の佐藤さんにとっては仕事が増えているだろう。しかし、佐藤さんはそれ以外の事で、立華パパに何か言いたい事が有るようだ


「旦那様…もしかして、ワザと仕向けたりしませんでしたか?」


「ぬはは!バレていたか。流石は佐藤さんだな!」


「パパっ!?どういう事なの!?」

「えっ!ええっ!?」


「立華さんが太一に全裸を見られた事が、オジサンの仕込んだ事…だと言うんですか!?」


「旦那様っ!そういう事はお嬢様の気持ちを尊重しないと駄目ですよ…」


「いや〜、妻を亡くしてから毎日の生活が寂しくてね。少しでも早く孫の顔が見たいのだよ。すまなかったな梨香。わはははは(笑)」


「わはははは!じゃないですよ!何てことしてるんですか!?」


驚かされた亜沙美たちだが、どうやら梨香が太一に全裸を晒すことになってしまったのは、立華パパの策略だったようだw

今回のような行為の積み重ねで間違いが起こって孫の顔が早く見れることを期待しているようだw




続く

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