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第71話 知らぬが仏

【竹取家21時前】

「さーてと、今夜も配信頑張っちゃおうかな?…でも明日は午後から太一とデートだから…あんまり長引かせちゃ駄目だよね。今夜は1時間キッチリで終わらせないと!」


亜沙美がチャンネル登録者5000人を達成した時に、太一と遊園地に行った時に彼から言われた「他に何か望む物は無いのか?」

と聞かれ太一に要望したものソレは…

「週に一回会って欲しい」

という内容だった。ほとんど恋人同士のような甘えっぷりだが亜沙美は知らない。今その太一が、梨香と2人でお風呂に入っている事など…まさに【知らぬが仏】だった



「はーい!皆さんこんばんは!AAダブルエーVTuberの浅宮アミですっ!こんアミーゴぉ!…音量はこのくらいかな?…聞こえてますか?みんな元気にしてたかなぁ?」


✱「こんアミー」

✱「聞こえてるよ」

✱「こんアミーゴ」

✱「良いで〜」

✱「こんアミーゴ♪」


21時になったので、いつもの様に配信を始めた亜沙美


「前にも言ったけど…みんなのおかげでチャンネル登録者が5000人を超えましたっ!みんなありがとうねぇ♪

それで!今夜の配信は視聴者(アミーゴ)たちからの質問に1時間お答えしようと思うよ!何でも聞いてね♪身バレしない事なら可能な限り答えていくからねっ!」


✱「待ってた」

✱「良いね」

✱「声を聞くのは大事やな」

✱「アミー水の販売は?」


「(;´∀`)…ァハハハ…ハハ…ハ…今夜も元気そうね。エロコメダイスキーさん。アミー水は販売出来ないからね…他には?」


✱「学校ちゃんと行ってる?」

✱「好きな食べ物は?」

✱「休みは何してる?」

✱「背は高いの?」


「学校はねー、何とか続いてるよ。しばらく不登校してたから、やっぱりまだまだ、しんどく感じちゃうけどさ。友達も出来たし嫌な事ばかりでも無いね…もちろん嫌な事も有るんだけどさ

好きな食べ物は…卵料理かな?目玉焼きとか?卵焼きとか…オムライスくらいなら自分でもたまにだけど、作ったりもしてるよ。身長はね〜…150cmちょいだから、平均より少し低いかな?うん、多分、少し低いと思います…あはは…」


✱「やっぱり学校は楽じゃないのね」

✱「小さくて良いやん」

✱「ちっこい方が好きだ」

✱「料理すんのか」


「本当に簡単なモノなら料理するけど…

(おっと!ここで1人分だけ作ると材料が……とか言っちゃうと1人暮らしがバレちゃうわ。気を付けないと…)

そうだ!料理配信とか需要あるのかな?」


✱「食べさせて欲し〜」

✱「オムライス美味いよな」

✱「結婚しよ」

✱「休みの日は何してんの?」


初めての質問回という事もあって、今日は亜沙美の質問がジャンジャン来ていた。亜沙美は丁寧にひとつひとつ答えていく


「小さいと可愛い?嬉しいこと言ってくれるね。ありがとう!結婚は当分しません。だって、相手も居ないし…それにまだ16よ、早すぎだってば!

休みの日は掃除と洗濯とゲームかな?まぁ明日は午後から友達と買い物に行くけどね〜♪」


✱「社交的やん」

✱「同性?」

✱「彼氏とか?」

✱「家事してんのや。えらいな」


「バッカ!何言ってんのよ、彼氏な訳ないじゃん!友達だってば。そもそも配信者で彼氏居る人なんて滅多に居ないんじゃないの?…でも、まぁ…楽しみにしてはいるんだけどね♪」


彼氏では無い。と言ってはいるが…【恋人未満友達以上】かな?と亜沙美は考えている。これから太一ともっと仲良くなって、恋人になれたら良いのにな。とは思っているのだが…

亜沙美は知らない。その太一がよりにもよって梨香と2人で同じ風呂に入っている事など…


✱「ドコ行くん?」

✱「買い物?」

✱「映画とか?」

✱「ザスコか」


「そうだね買い物に行く予定してるよ。6月に入って急に暖かい日が増えたよね?夏物とか買えたら良いな。と思ってさ」


✱「そうやな、今年は暑いよな」

✱「アミの夏服か…」

✱「見たい!」

✱「Tシャツ1枚とか?」

✱「どんなん来てるか気になるな」


「(;゜∀゜)イヤイヤイヤイヤ...流石にTシャツ1枚はないって、痴女じゃんそれじゃ。まぁ引き籠もりだからファッションとか自信ないからねぇ。友達に意見して欲しくてさ」


✱「あー分かるわ」

✱「気になると難しいよな」

✱「アミーに俺好みの着せたいわ」

✱「友達とツーショット写メ見たい」

✱「せやな!」


「流石にソレは見せられないよ(汗)」


などなど多くの質問に答えながら、和気あいあいと配信を楽しんだ亜沙美は配信を終えた。明日の太一とのデートが楽しみなので、今夜は久しぶりに日付が変わる直前には寝ることにした




続く

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