【立華家】
亜沙美が登録者5000人感謝の配信を頑張って終わらせ、明日の午後からの太一とのお出掛(デート)けを期待していた頃…
立華家では両親のお節介から2人きりになっていた梨香と太一
梨香は同級生ではあるものの、小さな頃から病弱な自分に面倒良く付き合ってくれた太一に、兄の様な感情を抱いてはいたが…彼の同じ町内の幼なじみ【亜沙美】の出現により、最近はそれとは違う感情が芽生え始めていた
そんな時に聞かされた、太一が亜沙美とラブホテルに入った事がある。という話は本来、恋愛には消極的なハズの梨香に大胆な行動を取らせていた
「あ、あの太一君。せ、背中を洗って頂けませんか?」
「えっ!?工エエェ(゜〇゜ ;)ェエエ工!?」
太一からしてみても梨香は、自分が支えてあげなければならない妹のような存在と見てきていた。言えば亜沙美にたいしてもまだ【自分の彼女】とかいう認識ではないのだが…まだ亜沙美の事の方が異性として見ている
梨香はその辺を何となく感じ取っていたのか?それとも、亜沙美に太一を取られそうな気がしたので思わず大胆に行動したのか?までは分かっていなかった
「こ、これくらいで良いか?痛かったら言ってくれよ…」
(すげー柔らかくて綺麗だ…ヤバい!嫌でも興奮しちまうよ…)
「あっ、はい。ちょうど良い感じですわ…」
(流石に大胆過ぎたかしら?でも…今更引くに引けませんわ)
洗われている梨香も、洗っている太一も顔を真っ赤にしていた。極度の緊張からか2人は口数も少なかった
「じゃあ流すからな…」
「はい、お願いします…」
お湯を掛けて石鹸を流してもらった梨香は湯船の中に入った。恥ずかしさから背中を向けて身体を洗う太一
自分の前を見られると恥ずかしい。という気持ちもあるが、何よりスタイル良く成長した梨香の全裸を直視出来ない方が強かった
「太一君…」
「何だ?」
「随分と背中が広くなったんですのね…」
「そ、そうかな?」
今度は梨香が太一の背中を洗っていた。親戚の2人ではあったが、いつも面倒見の良い太一を兄のように感じていた梨香だったが…成長した彼の身体に異性に対するドキドキが高まっていた
お互いが、お互いの激しくなってる動悸を悟らせないように、静かに振る舞っている
「流石に2人で同じ湯船は無理ですので…私は先に上がりますね。太一君はゆっくりしてね」
ぼーっとしてたら亜沙美に太一を取られそうに感じたから、梨香にしては大胆な行動を取ったのだが…流石にこれ以上は積極的になれなかったので、そそくさと風呂場から逃げ出した
(ふいぃ…梨香ってあんな積極的だったかぁ?焦ったぜぇ…口を滑らすんじゃなかったな…)
「パタン」
その時バスルームに出入りする扉が開閉し、梨香が部屋へ戻っていくのが分かった
「はあぁ…びっくりしたー。にしても梨香ってあんなにスタイルが良かったんだな…うっ!今更キカン棒のヤツ元気になってきやがった…い、家に帰るまでは我慢しなきゃな…それよりも風呂から出たら梨香の誤解を解いておかないと…」
【梨香の部屋】
「Σ(゜д゜;)えっ!?太一君は亜沙美ちゃんと恋人の関係ではないのですか?……やだ!私ったら早とちりしちゃってました。恥ずかしいぃ!」
「やっぱり勘違いしてたんだな。おかしいと思ったんだよ…」
「ご、ごめんなさい太一君。私ったら…」
太一の予想通り、亜沙美とラブホテルに入った事がある。この話から梨香は勘違いしていたようだ。梨香に亜沙美とは恋人関係ではないと説明した太一
(まぁ、恋人関係になれたらソレは嬉しい。とは思うけどな…)
太一は決して嘘は言っていなかった。亜沙美との関係はまだ【恋人】と呼ぶには早すぎるだろう。だが、亜沙美の方は満更でもないのだが…
【1時間後】
「梨香ーパパだよ!間違いは起きなかったかね?」
「梨香ちゃんとなら私たちは一向に怒ったりしないからね。むしろ起きて良いのよ!」
2人の両親は帰ってくるなり、間違いは起きなかったのか?起きてたら嬉しいぞ!
と言わんばかりの態度で帰ってきた。野球観戦の事などそっちのけで留守の間ナニをしていたのか?そんな質問ばかりだったw
「ε٩(๑>ω<)۶з 私たちのことは良いから!野球観戦はどうだったのよ?」
「な、何もしていませんから!」
勘違いで太一と一緒に風呂に入ってしまった梨香は、耳まで赤くしてデリカシーの無い大人たちに怒っていた
太一も必死に無実をアピールしていた
そんな美味しい思いをした太一が、明日は別の女(あさみ)とデートするとは、この場に居る誰もが予想だにしていなかった
続く