【月曜日の学校】
「はぁ…なんか最近、急に色々起きんだよなぁ…」
このところ太一は悩んでいた。亜沙美と間違えてラブホテルに入った事がある。と言ってしまった直後に一緒に風呂に入ろうと、梨香らしからぬ積極的な誘いを受けたこと
その次の日には亜沙美とお出掛(デート)けして、一緒に食事したり彼女の服を選んだりしたこと
(もしかしてだけど…俺ってモテているのか?モテ期なのか?…それとも遊ばれているのか?……いや、ジョークが好きな亜沙美ならまだしも…真面目な梨香が俺をからかって楽しんでいるなんて、有り得ないよな…わからん!)
幼なじみの亜沙美、親戚の梨香と付き合いが長いだけ。とは思えないほど親しくなれている気がしている太一
そんな感じで歩いている彼を見付けた亜沙美
「あっ!太一じゃん…太一〜おっは……!?」
離れた位置から駆け寄り彼に挨拶をしようとした亜沙美の目の前で…
「太一君おはようございます♪」
建物の影から現れた梨香が嬉しそうに太一に近付いて話し掛けていた
「ズキッ!」
(あれ?何だろう…胸の奥が痛い!?)
目の前で太一が自分以外の女性と親しく話している姿を見てしまった亜沙美は、急に痛くなった胸を抑えるが…理由は分からなかった
【教室内】
「あっ!亜沙美ちゃん。おはようございます♪」
太一と親しく話していた梨香に、どうやって話しかけようか悩んでいた亜沙美に梨香は、意外なほど今まで通りに話しかけて来た
「お、おはよう梨香ちゃん。何だか嬉しそうだね…何か良い事でもあったの?」
亜沙美は梨香が機嫌が良いのは、朝から太一と親しく話が出来たから。だろうと思っていたのだが…
「今日、私たちのクラスに私の従姉妹が転校して来るのです!久しぶりに会えるから楽しみなんです♪」
(あれ?嬉しそうにしてた理由は太一じゃないの!?)
てっきり太一と楽しく話してた事が梨香の上機嫌の理由だと思っていた亜沙美は、もの凄く意表を突かれてしまった
【朝のホームルーム】
教壇には体育教師が青い髪のいかにも「The外国人」な女の子を横に連れて話し始めた
「彼女はイギリスはイングランドからやって来たロミータさんだ。母親がイングランドの人だが、父親は日本人なので日本語はペラペラだ。みんな普通に接してやってくれ!…ほら、挨拶をしてくれ」
体育教師でマッチョの担任から催促され、お人形さんみたいな女の子は教壇の位置にやってきた
「皆さん初めましてっ!イングランドから転校して来ましたっ【ロミータ・アナメル】ですっ!宜しくお願いしますっ!」
「すっげ可愛い♪」
「やだ、お人形さんみたい!」
「名前エロくね?」
「日本語うっま」
「くっそ、可愛いやん❤︎」
イギリスからやって来たお人形さんの様に可愛い【ロミータ】の登場にクラスメイトは大いに湧いた!
「うっそ!?声めっちゃ可愛いんですけど!」
クラスメイトのほぼ全員がロミータの容姿の可愛いらしさに目を奪われている中、VTuber活動をしている亜沙美だけが彼女の甘いながらも突き抜ける様な声に注目していた
「*゜∀゜)*。_。)ウンウン 面影が残ってますわ!ロミーったら相変わらず可愛いですわ!」
「あっ!梨香ーっ!」
クラスの中に梨香を見付けたロミータは、一直線に彼女の元に駆け寄った!
「お元気でしたか?…oh…梨香はすっごくおっきくなりましたねっ!!」
久しぶりに梨香を見たロミータは、彼女のバストサイズの異常な成長ぶりに驚いていた
「おほんっ!ロミータさんは小学生の間は日本に居たのだが、親御さんの仕事の都合で中学の3年間はイングランドで過ごしていたそうだ
ちなみに立華とは従姉妹だそうだ。彼女の席は…ちょうど立華の横の窓際が空いているな。立華、彼女の面倒を宜しく頼むぞ!」
「梨香ーっ!同じクラスで横の席なんて最高ですっ!宜しくお願いしますねっ!」
(うっわ。良い声してるなぁ…何か特別な発声練習とかしてるのかなぁ?)
彼女の容姿よりも、彼女の声が気になっている亜沙美だが…彼女が亜沙美にとって思わぬ仲になる事を、この時はまだ知る由もなかった
続く