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第102話 逃げ出した亜沙美

【プール施設】

「動くと上手く脱がせられないわ。亜沙美、チカラを抜いてよっ」


「う、うん…」


腰が抜けてしまった亜沙美の代わりに、お漏らしで濡れた水着の下の方を洗ってもらう為に脱がされている最中の亜沙美だが、とんでもない恥ずかしさに顔から火が出そうになっていた


(そう言えば…岐阜にお泊まりに行った時も梨香ちゃんに脱がされてたっけ…私って何で恥ずかしい目にばかり会うの?)


脱がされていくパンツが脚を這うように下へと下がっていく感触が、更に亜沙美を恥ずかしくさせ…


(くあーっ!興奮し過ぎて鼻血が出ちゃいそうだわっ!亜沙美可愛っ❤︎ロミー新しい世界の扉が開かれちゃうわっ!)

ロミータを新しい世界に誘おうとしていた


……………………………………………


「はい。洗ってきたから履きなさいよ…」

(はぁはぁ…亜沙美、可愛い最高ねっ❤︎)


「ありがとう…ごめんね…助かった…」


洗ってもらった水着の下を受け取り、履き直した亜沙美は顔を真っ赤にして下を向いていた


「ご、ごめんね亜沙美…恥ずかしい思いをさせちゃってごめんなさいね。亜沙美と仲良くなりたい!って思ったらロミーもはしゃぎ過ぎちゃったみたいだわ…」


未知の興奮に飲み込まれそうになっていたロミータだが、恥ずかしさに飲まれ固まっている亜沙美の姿を見て…自分がやり過ぎていた事を悟ったようだ



「ううん…亜沙美が子供みたいに考えが足りなかったから…その、迷惑をかけ…」


「違うよっ!ロミーはすっごく楽しかったしっ!亜沙美がすっごく可愛いかったから謝らなくて良いのっ!ロミーたちは仲良しの親友だからねっ!」


亜沙美が自分を卑下して泣き出しそうになっている事に気がついたロミータは、彼女との仲に気まずい空気を作られたくなくて必死にフォローを入れた!


「ロミーちゃん…グスッ…良いの?こんな亜沙美が親友でも?」


「あったり前じゃないっ!亜沙美はロミーの最高の親友よっ!」


ロミータは勢いで強引に亜沙美を言いくるめ、泣きそうになっていた彼女を無理やり笑顔にしていた


「ほらっ、一緒にシャワーしよっ!水で流したらスッキリするよっ!」


「うん!そうだね…そうしよっか♪」


亜沙美は今まで友達と呼べるのは太一しか居なかった。半ば強引な言い方ではあったが、ロミータから親友と呼ばれた亜沙美は嬉しくなり、何とか笑顔を浮かべる事が出来た


……………………………………………


「ふぅ!スッキリしたよ♪」


「良かったわ。元気になったみたいで」


シャワーを浴びた亜沙美は、ようやく笑顔を取り戻し冷静になれたようだ。そこである事に気が付く


「そうだ!太一と梨香ちゃんを待たせっぱなしだよね?撮影は終わったよ。一緒に遊ぼう!って誘いに行かないと…」


「あぁ、そうね!一緒に呼びに行きましょ!」


(やっばー!亜沙美の可愛いさに夢中になり過ぎて、梨香たちを待たせていた事スッカリ忘れてたわ…)


2人ともシャワーを浴びたことで落ち着き、ようやく梨香たちを待たせていた事に気が付いた。平常心を取り戻した亜沙美は、付き添いに来てくれた梨香と太一にも楽しんでもらわないと申し訳ない。と思って彼らを呼びに行ったのだが…




【着替え室】

「ガラガラ…」

「ごめん梨香、待たせちゃったわっ!撮影は終わったから一緒にプールで遊びま…えっ!?」


「(; ꒪ㅿ꒪)えっ!?太一…」


更衣室のスライドドアを開けた亜沙美とロミータの目に飛び込んで来たのは…


「あっ!こ、これは…」

「きゃあっ!!」


お互いに目を閉じ、軽くハグをしながらKissをしている梨香と太一の姿だった!



「何で…太一と梨香ちゃんが…嘘でしょ…」


純粋無垢な亜沙美は、まだまだ太一と恋人関係になりたいとか考える以前の状態だったので、目の前でKissをしている2人の姿に衝撃を受けたようだ


ましてや、さっきプールの中でお漏らししてしまい水着の下を洗う為とは言え、ロミータに下を脱がされるという超恥ずかしい思いをした直後の亜沙美には、何が起きているのか?全く頭がついていかなかった



「あ、亜沙美。これは違くてだな…」

「そ、そうなんですの。私が好奇心で…」


「やめなよ梨香。そんな言い訳は見苦しいって!好奇心があったって…超奥手の梨香が好きでもない男とKissなんかできる訳ないでしょっ!」


「あ、あ…太一と梨香ちゃんが…」


太一と恋人関係になりたい!とかいう感情に支配される程までにはのめり込んでいなかったとは言え、異性で1番親しい太一とこれからゆっくり更に仲良くなりたい。と考えていた亜沙美にとって、これはあまりにも信じられない光景だった



「そ、そうですわね…私は太一君の事が好きです…もちろんクラスメイトへの気持ちなんかじゃなくて…1人の異性として太一君の事が大好きなの…だからKissを迫ったの…」


奥手で恥ずかしがり屋の梨香も腹を括り、亜沙美に対して太一との恋人宣言をする覚悟で自分の気持ちを宣言した


「あまりに梨香が可愛い過ぎて…俺も梨香の事は気になってたし…だから、それで…」


突然Kissを迫られた太一。梨香の予想外の可愛いさに断ることなど出来ずに応えてしまった事を話した


「……そっか…そうだったんだね…2人は親戚で小さい頃から…私よりも前から仲良かったんだもんね…ごめんなさい。知らずに太一と仲良くしちゃってて…私は、その…太一の事なんか男して見てなかったからーっ!!!」


亜沙美はロッカーに手を突っ込むと自分の荷物を持った。そして、水着の上に着ているパーカーのチャックを上げると更衣室から飛び出して行った


「亜沙美!?」

「亜沙美ちゃん!?」


「ちょっと亜沙美っ!まさか、その格好で帰ろうとしないよねっ!?…梨香!話は家で聞くからっ!待ってよ亜沙美っ!!」


飛び出して行った亜沙美の姿に呆然とする梨香と太一。亜沙美の性格なら、あんな姿のままでも外に飛び出しかねない。と考えたロミータも自分の荷物を持つと、亜沙美が外に出てしまう前に捕まえようと、凄い勢いで彼女を追い掛けて部屋から出て行った




続く

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