目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

第107話 裸の付き合い

【亜沙美の部屋】

「(; ꒪ㅿ꒪)えっ!?一緒に入るの?」


「うん…ロミーとじゃ嫌かな?」


「……………」


今日は朝からスポーツジムでの撮影で、1日を共にしてきた亜沙美とロミータ。亜沙美の配信中にやたら流れる【アミー水】という単語から彼女に興味を抱き始めていたロミータは、更なる亜沙美の可愛さを引き出したい!という欲求に駆られていた


一方、親友と思っていた太一と、友達と信じて疑わなかった梨香のキスシーンを見せつけられた悲しみを、優しく慰めてくれたロミータに好感を得た亜沙美だが…


そんな彼女にプールの中とはいえ、排水する場面を見られてしまったが…優しい彼女になら。とソコまでは納得出来たのだが…


「で、でも私…人に見せられるほど立派な身体付きしてないから…恥ずかしいな…」


「全然そんな事ないって!亜沙美は可愛いよっ!女の可愛いさや魅力は身体じゃないんだからっ!」


(ロミーはね、亜沙美の恥ずかしがっている顔や仕草が好きなのっ!胸が控え目とかどーでも良いのよっ!)



あくまでも、身体が立派ではない。と言うのは恥ずかしさを誤魔化す為に適当に言った理由でしかないのだが…亜沙美とロミータの論点はズレているようだ


「あ、あんまりジロジロ見ないなら…良いよ…女の子同士だし…」


「本当!?うん、分かった。ガン見しないからねっ♪」


(良かったー!下手したら嫌われるかも?と思ったけどオーケーもらえたっ♪)




【お風呂場】

「あの…お願いがあるの…」


「何っ亜沙美?」


「私が「良いよ」って言うまで中に入らないでね。良いかな?」


「………うん。分かったわ!」


(本当に亜沙美が許容出来る範囲のギリギリみたいね…迂闊に押しすぎないように気を付けないと…)


ロミータはここで自分が少し強引になっている事を自覚した。恥ずかしがり屋の亜沙美に、過度な要求を続けると嫌われかねい!ので自重しなくては、と踏みとどまれた


……………………………………………


「入ってきて良いよ…」


「お邪魔します…わぁ!亜沙美ったら可愛い♪」


「ε٩(๑>ω<)۶зもう!ジロジロ見ないで!って言ったのにぃ!!」


「ご、ごめんね…あんまり可愛いくて、つい…」


小動物のような亜沙美の可愛さに夢中になっているロミータは、湯船の中で丸くなり身体を隠して照れている彼女の姿が視界に入った途端…視線を外すことが出来ずにガン見してしまった


「やだぁ!ロミータちゃんってエッチ過ぎない?そういうのは駄目じゃんかぁ!」


入浴剤で濃い色が付けたり手で隠したりして、身体の恥ずかしい部分を見えないようにしている亜沙美。それでも顔を真っ赤にしてうつむき加減な彼女の仕草に、脳を焼かれそうになっているロミータ


「で、でもさ亜沙美。別に隠さなきゃならないほどスタイル悪くないし…ううん!むしろ小柄なのが愛くるしく見えるよっ!…ん?どうしたの?」


ロミータは精一杯、亜沙美の身体の可愛らしさを熱弁したのだが…彼女は黙ってしまった。もう1度優しく聞くと…


「私…小さい頃にお母さんが料理しているところにはしゃいで飛びついて、揚げ物していた油で身体のアチコチを火傷しちゃったの…」


「( °◽︎° ;)そうなの?…でも、そんな跡は全然分からなかったけど?」


「うん…お父さんが仕事を頑張って、私の結婚式の為に貯めてくれていたお金を使って皮膚移植してくれたの…」


「パッと見だけど…全然そんな風には見えないよ。言わなきゃ分からないんじゃない?」


「でも…私の皮膚は何ヶ所か培養した人工皮膚なの…ソレを見られてると思うと…凄く恥ずかしいの…」


ようやく亜沙美が極度の恥ずかしがり屋な理由の1つを理解したロミータ


「でも大丈夫よ。亜沙美は可愛いわ♪」


(けど良かったわ…その話を聞いてなかったら、欲望が加速して亜沙美に嫌われるとこまで突っ走りそうだった)




【亜沙美の部屋】

「ねぇ亜沙美。今からオフコラボ配信しない?」


「えっ!?あ!もうすぐ21時だ…」


「亜沙美、前に【パリピカート】してたでしょ?アレをやらない?」


「うん!良いよ、一緒にしよう。楽しみ♪」


ロミータは亜沙美に攻め過ぎた事へのお詫びに、彼女の配信を盛り上げる提案をした


「ロミーが配信準備しておいてあげるから、亜沙美はTwitterで配信告知しちゃってよ!【ロミータと突発オフコラボ!参加者望む!】みたいな感じで告知したら…盛り上がると思うよっ♪」


「(*´ ˘ `*)ありがとうロミータちゃん♪もしかしたら今日中にチャンネル登録者が1万人を超えちゃうかも知れないなぁ♪」


「へぇ?4月から配信しだしたんだよね?凄いじゃないっ!」


(今はまだ8月上旬)


「( ̄▽ ̄;)【バイオパニック】して号泣しちゃったりとか…【アミー水】とかいう謎のワードが盛り上がっちゃって…運良く。なんだけどねぇ…」


「何言ってんのよ!運も実力の内って言うのよっ!!」


今日は色々と亜沙美に恥ずかしい思いをさせ過ぎた事への謝罪として、今夜の配信をベテラン中堅YouTuberのノウハウを活かして、必ず盛り上げようと意気込むロミータ


「あ!私マイク1本しかまだ持ってないんだけど…大丈夫かな?」


「そんなの平気よっ!近寄って配信すれば良いのよっ!亜沙美のリスナーにロミー達が仲良い!ってところを魅せ付けちゃおうねっ!」


「うん♪」


今日、何度かロミータに恥ずかしいところを見られてしまった亜沙美だが、部屋の掃除やオフコラボ配信で自分のチャンネルを盛り上げようとしてくれるロミータに、深い信頼感情が芽生えてきた亜沙美


(あ!そうだっ!【アミー水教団】とか言う亜沙美の熱烈なファン層が居るのよね…彼らを利用して凄く盛り上げちゃおうっと!)


配信開始数分前で何やら思い付いたロミータ。ソレが吉と出るか?凶と出るのか?間もなく亜沙美、初のオフコラボ配信が始まる




続く

この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?