目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

第114話 カミングアウト

【夜の亜沙美の部屋】

「ロミータちゃんが【アミー水】をゲットしてたら何に使うつもりだったの?」


「(; ꒪ㅿ꒪)えっと…それは…」


自分(ロミータ)が急ぎ過ぎていたことを理解したので、今夜はその感情を押し殺そうと真面目に配信の打ち合わせに集中したので、【アミー水】のことは完全に頭から抜けていたのに、亜沙美から話を振られた事でその想いが蘇ってしまったロミータ



「エロコメさんみたいに……卑猥なことに使いたかったのぉ?」


「……ち、違うわよっ!!」


(そうだ!ロミーの最終目的はソレじゃなかったハズ!しっかりするのよロミー!!)


【アミー水教団】の筆頭の名前を出されたことで、ようやく自分(ロミータ)の本来の目的を思い出したロミータ


「あ、あのね…本当の気持ちを言うから…笑わないで聞いてよね。い、良い?」


「う、うん…聞くよ…」


((;・∀・)ごく…ロミータちゃん…何て言うのかなぁ…飲むとか言わないよねぇ…ドキドキ…)


いつになく真剣な表情のロミータの顔が、亜沙美の顔のすぐ近くにあり上目遣いで見つめてきている



「ロミーはね…亜沙美のことが……好きになっちゃったのよっ!!」


「キタ━━━(゜∀゜)━━━!!」


「えーと…うーんと…説明するわよ?」


「う、うん…」


今度は目線の高さを合わせて向かい合っている



「亜沙美って…ほら、純粋無垢だからクラスメイトにも時々からかわれているじゃない?」


「えっ!?……あ〜、まぁね( ̄▽ ̄;)お子様なんだろうねぇ…あはは…」


「……今日この名前を出しちゃうことを許してね」


「えっ!?…良いけど…」


亜沙美は太一か梨香の名前を出されることを覚悟した。今日スポーツジムでキスを見せ付けられた2人の名前だ。出来れば聞きたくはなかったが…



「ロミーの両親と梨香の両親は、ロミーたちが産まれる前から仲良かったらしいのよ。だから物心が着いた時には梨香が居たの…まるでお姉ちゃんのような梨香がね…」


「そうだね。梨香ちゃんは生徒会でも頼りにされるほどシッカリしているもんね」


「だから梨香のことは大好きよ。でもね…距離が近いから好きなお姉ちゃん♡って感覚なの…でも亜沙美は梨香と真逆だった。梨香と同じで同級生なのに、梨香は年上のお姉ちゃんに見えるけど…亜沙美は年下の後輩みたいに見えたの」


「あはは…後輩かぁ…そっかぁ…」


「だって亜沙美って簡単に人に騙されそうじゃない。助けてあげないと危なかっしいのよ。でもね、最近そんな亜沙美のひとつひとつの仕草に【可愛い❤︎】って思うようになったの…そしたらさ…彼女にしたいな。って思っちゃったのよっ!!」


「∑(๑ºдº๑)ええっ!?か、彼女に?」


「そうよっ!仕方ないじゃない!小学生かよっ!?ってくらい純粋無垢で可愛いリアクションする亜沙美のことが、気になって気になって仕方ないんだからっ!」


「そ、そうだったんだね……ありがとう…」


突然のロミータからの熱いカミングアウトに、上手く言葉が出てこない亜沙美。しかし、向かい合っているロミータの顔は真剣そのものだ


「一緒にゲームしてる時の亜沙美のリアクションも、今日のプール撮影でオドオドしている亜沙美も、凄く可愛くて堪らなかったんだよっ!…ハッキリ言えるわ。梨香への好きとは全然別物の【好き】の感情を亜沙美に感じるのよっ!」



亜沙美の性格は良くも悪くも子供っぽいので同性のロミータに対してだけでなく、異性の相手にも恋愛感情というものが、ようやく最近芽生え始めて来たのかな?


という程度のレベルにしか到達していなかったので、ロミータのカミングアウトに何と答えたら良いのか?分からなかった。が…



「ごめんね、ロミータちゃん…」


「Σ(゜□゜)あっ!!あはは…そ、そうよね。同性からの愛の告白なんて気持ち悪いわよね…うん、ごめんね亜沙美…」


同性からの愛の告白を拒絶された!と思ったロミータは脱力し、死んだ魚のような目でうつむいた。が…


「ち、違うのロミータちゃん!」


「( °◽︎° ;)えっ!?」


「私、子供っぽいからさ…ロミータちゃんが私のことを恋愛対象として好き!って想ってくれてるなんて予想も出来なくて…ほら!【アミー水】とか言うからさ…エロコメダイスキさんみたいな変質者的な好きなのかな?って誤解しちゃってたから、そのことに対しての【ごめんね】なんだ」


「じゃ、じゃあ…亜沙美もロミータのこと恋愛対象として【好き】ってこと?」


亜沙美から良い意味での否定をもらった事で、つい事態の好転を都合良く解釈してしまったロミータ


「そ、そこまでは正直まだ分からないの…でも女友達に対しての【好き】より、ずっと強い【好き】って気持ちだってことは分かるよ。だって!今日、梨香ちゃん達のキスを見せつけられて落ち込んだ私に、ロミータちゃんはあんなに優しくしてくれたんだもん!」


亜沙美はロミータのカミングアウトに応えられるように、今の気持ちを精一杯強くハッキリと表現した!


「ありがとう亜沙美。嬉しいっ!ロミーの【好き】の気持ちの大きさに亜沙美の【好き】も近くなってくれたらもっと嬉しいわっ!」


「うん、頑張ってみるね!」


【アミー水】という単語に暴走気味になったことが、2人の未来を終わらせかねない方向に傾きそうになったが…ロミータの真剣なカミングアウトが、亜沙美の気持ちを引き寄せることに成功したようだ


「あ、あのね亜沙美。ひとつお願いがあるんだけと…良いかな?」


「うん、何?」


「今夜は同じベッドでロミーと寝て欲しいの!…変なことは絶対にしないから!…駄目、かな?」


推し過ぎたことが危ない展開にしそうになった事を理解しているロミータだったが、どうしても一緒に寝て欲しい!という願望は捨てられなかったようだ


「あの…えっと…」


(どうしよう?一緒に寝たい…って本当に変なことはされないのかな?安易に信じて大変なことになったりしないかな?…ロミータちゃん、歩み寄ってくる時はグイグイ来るから心配だよぉ……で、でもでも…)


ロミータのカミングアウトに感動した亜沙美

彼女(ロミータ)が遊びとかじゃなく、本気で【好き】なんだと言うことも理解したのだが…同じ布団の中で寝て本当に大丈夫なのか?亜沙美は心配を拭い去れないでいた




続く

この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?