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第176話 企業勢デビュー

【亜沙美の部屋】

配信を始めて30分が経過した頃、部屋の中にロミータを招き入れて視聴者(アミーゴ)たちに、彼女と同居生活を始めたことを報告した亜沙美


「ロミーちゃんが居てくれるから部屋が綺麗になったし、料理も上手だし、配信者としても大先輩だし、色々教えてくれるしで凄く助かっているんだぁ♪」


✱「なーほーね」

✱「アミの部屋散らかってそう…」

✱「この前アミ料理配信してたよな?」

✱「ロミーちゃんスペックたけー」

✱「姉御やん」

✱「仲良さそう」


「う、うん。実際、仲良い…とアミは思ってるし凄く助かってはいるんだけど…」


✱「何かあるん?」

✱「なんや?」


「ロミーちゃんって凄くスキンシップが激しいと言うか…結構エッチくて困ってるのぉ…」


✱「うはっ!」

✱「てぇてぇな」

✱「百合やん」

✱「マジかよ?」

✱「混ざりてー」


「もぉアミったら、そんな困ってるフリなんかして〜本当は嬉しいんでしょ?」


アミがパソコンの正面に座って配信している状況で、その右横で椅子に座っているロミータが亜沙美に顔を近付けて話した


「ち、近いよロミーちゃん(照れ)お顔がひっついちゃうよぉ…」


✱「( ゜∀゜):∵グハッ!!」

✱「やっべ」

✱「ロミーちゃん本気やん」

✱「アカン、反応した」


「引っ付けるだけで良いの〜?本当は色々と期待してるんでしょ?例えばさ〜…ん〜ちゅ♬」


「ちょ、ちょっとロミーちゃん!?配信中なんだよぉ?みんなの前でマズイってばぁ!」


✱「٩⁝( `ᾥ´ )⁝وうぉぉぉぉお!!」

✱「百合回やん」

✱「積極的だ!」

✱「今マジでしたん?」

✱「俺にもしてくれー」

✱「生キスかよ」

✱「アミ、顔真っ赤にしてそう」


「ほーらね♪嫌そうな言葉を言うけどさ〜本気で嫌がってないじゃない。本当にアミは素直じゃないんだから〜♬」


「だ、だ、だ、だからって配信中にキスするぅ?めちゃくちゃ恥ずかしいよぉ…」


✱「萌え〜」

✱「アミくそ可愛」

✱「リアルで見て〜」

✱「恋人やん」

✱「キスされたアミの顔舐めてぇ」

✱「変態おるなw」

✱「ほっぺ?唇?」


「く、く、く、唇の訳ないでしょぉ!流石にそこまでされたらアミもキレちゃうよぉ!」


「ふーん…本当にキレるのか試してみようかな〜(笑)」


「駄目ダメだめ、絶対にNGだからねぇ!」


ロミータのKissに興奮するアミーゴたちを見た亜沙美は、このままの流れだと本当に唇にされかねない!と心配し必死に流れを遮(さえぎ)ろうとした


「むふふ♪どーしようかな?」


しかしロミータの方は、亜沙美の視聴者がノリノリなコメントを打っているのを見て、更なる深みに踏み込もうか?悩んでいる



「ストーップ!!ストップだよロミーちゃん!まだ重大発表が残ってるでしょ!」


「あはは、そうだったわね。実はね、この前の日曜日にアミを連れてね、ロミーが半契約している会社にアミの面接の為に行ってきたのよね」


✱「マジで?」

✱「アミもいよいよ公式?」

✱「どーやった?」

✱「発表するって事は…」

✱「デビューする?」


「そうなの!個人勢としての【浅宮アミ】は今夜までなの。明日の配信からはコンサート・プリンセス所属の【浅宮アミ】になるんだよぉ。だから、今まで以上に頑張んなくちゃ駄目だよねぇ♪」


✱「おお!すげー」

✱「アミちゃん、オメ━( ´∀`)━!!!!」

✱「これは嬉しい」

✱「遂に企業勢か」

✱「コラボ増えるな」

✱「契約、助かる」

✱「おめでとう」


「パシャ」

「えっ!?何、ロミーちゃん?」


「えへへ、あんまりにもアミが良い笑顔してるから思わず写メっちゃった♪」


明日から企業勢としてデビューする事を視聴者(アミーゴ)たちに祝われて、飛び切りの笑顔を浮かべた亜沙美に胸きゅんさせられたロミータは、その顔をスマホで撮影した


✱「うわー見てーな」

✱「ロミーちゃんナイス」

✱「nice work♪」

✱「てぇてぇが加速してる」

✱「仲良いのう」


「と、とにかくね。明日からはコンプリ(コンサート・プリンセスの略)の一員だから突然だけど、明日はデビュー配信をするからみんな見に来てよねぇ♪絶対だよぉ!」


✱「モチのロンや」

✱「やったね」

✱「何かすんの?」

✱「見た目変わる?」


「会社がこのままの名前と姿でデビューする事を許可してくれたんだよぉ♪た・か・ら、みんなが知ってるアミのままで続けていくからねぇ♬」


✱「オォ(*˙꒫˙* )」

✱「コンプリ寛大やん」

✱「ホッとした」

✱「アミのアバター完成度高いからな」

✱「変更するコスト勿体ないよな」

✱「良かったやん」

✱「感謝のアミー水配布ある?」


「(ヾノ・∀・`)ナイナイ。アミー水は無いからね」


✱「無いのか…」

✱「残念やな」

✱「楽しみが…」


「( ´艸`)むふふ。無いんなら、ロミーが今から採水してあげて良いんだけどね〜♪」


「ヽ(`Д´#)ノ もお!ロミーちゃん、変なチャチャ入れないで!」


✱「流石やでロミーちゃん」

✱「グッジョブ( ¯꒳¯ )b」

✱「ナイス」

✱「хорошо♪」

✱「何名に配布?」


「ないないないない!絶対に無いからねぇ!」


普段からアミーゴ達にからかわれてしまう亜沙美だが、横にロミータが居るせいで容易にソレが発生していた



「えっと、話を戻すね…なので、明日は企業勢アミのデビュー配信としてメンバーの人達からの凸待ち配信をするね。何人が来てくれるか?は分からないんだけどねぇ…」


✱「凸待ちゼロはツライぞ」

✱「どうなんや」

✱「大手ほど人居ないから逆に来てくれるのでは?」

✱「ゼロは無いやろ。ロミーちゃん居るし」


「あったりまえよ!ロミーが居るんだからゼロ人になる訳ないじゃない。仮にロミー以外、誰も来なかったら…ロミーとアミのイチャラブ配信になるだけよ♪」


✱「それはソレでアリやな」

✱「もっとイチャイチャ」

✱「アミー水期待」

✱「姉妹みたいな」

✱「毎日デートやん」


「あ、ちょっとごめんね。ロミーの視聴者に言っておきたい事があるの。良い?」


「う、うん。全然構わないよぉ」


「ありがと。ロミフレ(ロミーの視聴者)のみんな!アミとのコラボが爆増するとは思うけど、ロミーの配信もちゃんとして行くからねっ!

Romifle fans!I think collaboration with Ami will increase dramatically, but I will also distribute Romie properly! 」


大好きな亜沙美との同居生活を公に明かしたことで、今後は堂々とオフコラボ配信ができる事になったロミータだが、自分の視聴者であるロミフレに対し今後も変わらず配信して行くことを公約し、モニターに笑顔で手を振った


✱「Thank you」

✱「nice Romi」

✱「嬉しいね〜」

✱「ロミーもアミも可愛いよ」


「それとね…」


ロミーのロミフレへの告知が済んだのを見て亜沙美が話し出す。この配信はアミの配信だから当然である


「明日からは配信時間を90分に拡張しようと思うんだぁ。本当はもっと伸ばしたい所ではあるんだけど…やっぱり学校もあるからねぇ。生活厳しくなっちゃうから…」


✱「ええんやで」

✱「問題無し」

✱「十分に嬉しいよ」

✱「配信拡張感謝♪」

✱「エチエチ配信期待してるで(笑)」


「もう!スグにみんなエッチぃ話に行くんだからぁw…でも、ありがとうねぇ♪」


亜沙美は自分もいよいよ企業勢の仲間入りすることに当たり、もっと配信を頑張りたいのだが…今出来る精一杯が時間の30分延長だったが…それをアミーゴ達に素直に喜ばれたことが嬉しかった




【22:10】

「それじゃ22時も回ったし、今夜はこれくらいにして明日に備えようかな?明日は日曜日だけど、寝る前にお風呂も入らなきゃだしねロミーちゃん?」


「ꉂꉂ(ᵔᗜᵔ*)今夜もまたアミのツヤツヤ肌を楽しませてもらえるのね♪」


「ちょっ!ロミーちゃん?」


✱「マジかよww」

✱「今から風呂場が百合の園?」

✱「一緒に入りて〜」

✱「アミー水ロミー水ゴクゴク」

✱「百合ってんねぇ」

✱「いくら払えば鑑賞できますか?」


「出来る訳ないでしょ!!」


「ソレに…今夜は朝まで寝かせないぜ♪(クール口調で)」


「な、な、な、ナニ言ってるのぉ!?」


もちろんロミーが配信を盛り上げる為に言ってくれてる事なのは理解しているのだが、ロミータの場合はソレがリアルでも簡単に起こりうる事を身に染みて知っている亜沙美は、激しく動揺するのだった




【日曜日13時】

「いらっしゃいませ!2名様でしょうか?」


「えぇ、そうよ」


「お好きな席にお座りください。ご注文が決まりましたら、そのボタンを押してお呼びください。それでは…」


ロミータは亜沙美のデビューのお祝いに、彼女を連れ出して大型ショッピングモール【鈴街(ベルタウン)】に出掛けていた


「亜沙美は何にする?」


「うん…モーニング終わってるから、ホットコーヒーとサンドイッチかな?」


「じゃあロミーもホットで…フルーツパフェ頼んじゃおうかな?…ポチッと」


「ご注文はお決まりでしょうか?」


……………………………………………


「パフェ甘くて美味しいよ♪ほら、亜沙美もひと口食べなさいよ」


「うん。パクっ…美味しいね…」


大好きなロミータに誘われて街に来て、大好きなパフェを「あーん」してもらった亜沙美だが、元気がない顔をしている


「やっぱり今夜の事が気になってるの?」


「う、うん…先輩たちに失敗して嫌われたりしないか?とか、緊張し過ぎて上手く喋れないか?とか気になったらもう、全然頭が働かなくて…」


どうやら亜沙美は、自分が企業勢の仲間入りする事の重圧(プレッシャー)に襲われているようだ。そのせいで好物の甘味にも反応が薄くなっていた


「そんな気にしなくて良いって。それに、オリビアさんは来てくれるって約束してくれたんでしょ?もちろんロミーも居るんだしさ、誰かが居るならロミーは控えてるけど…いよいよ人が来なけりゃロミーとイチャイチャしてれば良いじゃない♪」


「そ、そうだよねぇ…うん?」


「どったの亜沙美?」


「会社グループから…メルルさんだ。「今夜の凸待ちにお邪魔します。待機してるので空きができた時に呼んでください」だって…」


「おお!良かったじゃん。メルルか…確か最近、凄く調子良いって言ってたような…」


「たくさん応援してもらえてる感じだよね?」



喫茶店米田コーヒーは全国チェーンのお店

メニューの中でも、サービス満点のモーニングセットが大好評だ。しかしサービスタイムは午前中で終わっている。なので店内の客数はまばらなのだが、一応配信者として身バレしないように隠語を交えて会話している亜沙美とロミータ


「なんか最近はロミーと同じくらい、エッチな話もしてるって聞くわね」


「路線変更して上手く行ってるって事ぉ?」


「たぶん、そうなんじゃない?良かったじゃない、これで少なくても3人は来る訳なんだからさっ♪」


「う、うん。そうだよねぇ♪」


どうやら寂しい凸待ち配信にはならないようだ。その事に安堵を覚えた亜沙美は、急に表情が柔らかくなった


「ところでさ…」


「ん、なぁに?」


急に亜沙美が小声で話し掛けてきた事に、何だろうと身構えたロミータ


「ロミータちゃんって、学校と配信中、お外に居る時とガラッとイメージ変えてるよね?凄いなぁ、って思って…」


「あぁ、それ?VTuberって身バレは絶対NGじゃない。人気が出てから気にするようになってたわ」


「やっぱり、そうなんだ…」


ロミータは家に居る時と配信中は、ワンサイドテールにして地声より音域を上げて話している。学校ではツインテールが多く声は地声だ。外に出ている時はストレートにし、声はかなり低めで話していた



「ねぇロミーちゃん。急にお腹すいてきちゃったから…ケーキも頼んで良いかな?」


「ꉂꉂ(ᵔᗜᵔ*)あはは♪そうそうその顔よ!それでこそ亜沙美だわっ。遠慮しないで好きなだけ食べなさいな。今日はロミーが全部奢ってあげるんだからさ!」


チャンネル登録者35万人超えしているロミータの財布事情は、女子高生のレベルを遥かに超えて一般社会人並の収入を得られているので、亜沙美に服を一式買ってあげた後に、喫茶店での食事を奢った程度ではビクともしないのだった


「ワァ───ヽ(*゜∀゜*)ノ───イ。ありがとうロミーちゃん♪」


「良いのよ、良いのよ。リスのように口を膨らませておなかいっぱい食べなさいな♪」


「ブー…そんな下品な食べ方はしないよぉw」


「あはは、冗談よ♪」

(しかしメルルか…亜沙美と一緒に会社に行った時に社長室に社長とこもってたよね?3時間もナニしてたか知んないけど…アレからメルルの配信伸び始めたのよね…何かある?…ま、ロミーの亜沙美に悪影響が無いなら別に構わないんだけどね…)


東京に出向いた時に、社長室に居ながら結局会うこともなかった【蒼空メルル】

伸び悩んでいた彼女が、あの日くらいから登録者を増やしていることに疑問を覚えたロミータだが、今のところは大して気にならないようだ




続く

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