さて今回のは掲載が「婦人公論」どす。
んで、わかりやすく「女の職業/立場でできること」問題なんですな。
https://plaza.rakuten.co.jp/edogawab/diary/201806110000/
主人公・
んでもって、女も職業を持たなければ! と地方の女学校の教師になるんですが。
何というか、ことごとく確かに「お嬢さん」の行動なので、わかりやすいどす。
実際彼女がもらっていた「給料」なんて、普段が洋服を仕立てる価格にも至らないわけで。
かと言ってそれで慎ましく暮らす、という考えもなく。
でまあ、最終的に見合いの相手であった
まあ実際、彼の言うことは正しい。
規矩子のやってることは自己満足に過ぎないわけで。教師をやれる人は他にも居る、だけど規矩子の立場、お嬢さん育ちの令夫人にしかできないこともずいぶんあるわけだ。
それぞれ人には役割があるんだぜ、ということを指摘されて「ギリィッ」って感じなようだけど「負けた」という感じで結婚を決めるという。
よって、色めいたものはなし~ 味も素っ気もねえ!
むしろ、途中で女学校時代本当に親密だった友人が結婚してしまった→子供ができた→残念、という感覚の方が強くてだな。
まあだからこそ「お嬢さん」なんだろうけどね。
余談。
この話と次で出てくる「蝶」という作品が、新潮社から出た「吉屋信子選集」には同時収録されてたんですな。ちなみにこの刊は見つからず。きいいいいいぃぃぃ。
「お嬢さん」は昭和20年12月、戦後ずいぶん早く出たんだけど、結局「蝶」は再刊されず。
なおかつ「朝日版全集」の巻末年表でも間違った年に置かれたり、初出雑誌が書かれてなかったりして、探すことができたのも相当偶然からだったという。
個人的にはこの「お嬢さん」よりずっと完成度高かったのになあ、と埋もれた作品を惜しむのだった。
ちなみにその恨みもあって、院に居たときに学生のゼミに混じって自分のお勧め本を一つレジュメに~という時に、初出「新女苑」のマイクロコピーをまた人数分全編刷ってもらったという。
さてあの頃の学生達どうしているかなあ。