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✾カーマイン

毎朝僕は色をみる

これがどれだけ幸せなことか

あの頃の僕はちっとも気づかなかったんだ


僕が行けなくなった外の世界は

もう見たくない日常

もう色褪せた日常


せまいせまい、小さな箱庭の中


歪で

息苦しい水槽



そんな時僕を誘いに来た



“カーマイン”



「お前が嫌なら一生出なくてもいいじゃん。でもさ外だけじゃないんだぜ、世界って。オレが連れてってやる、トクベツにな」



カーマインの首にかかっている砂時計の青い砂が


光纏い 世界を ゆらす



僕にはじめてできたともだち



カーマインの瞳に広がる海が

僕に夢を見せてくれる



毎朝僕は色をみる


カーマインの瞳に


広がるうつくしい海を

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