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第69話:ロリニナール

「ニャポニャポ、ニャポニャポ、ニャッポッポ! ――1ニャッポ!」

「2ニャッポ!」

「「3ニャッポ!」」


 ……あ。


「FOOOOOO!!!! ダメだよともくんと田島君、同時にニャポっちゃ。まったく、二人は本当に仲良いんだから」

「エクストリームヘヴンフラーーーッシュ!!!!!!」

「「「っ!?」」」


 このくらいで!?!?

 最近のぶるうちいず先生マジで隙あらばエクフラしてくるようになったな!?

 発言の大半はエクフラな気がするんだけど!?


「フッ、ご機嫌ようモルモット諸君。さあ今日も元気に人体実験していこうか」

「「「っ!」」」


 人体実験されてる時点で元気じゃねーよッ!!?

 最近来ないと思って油断してた!!

 今日こそは絶対何があっても怪しい薬は飲まないぞ!!!(決意)


「フッ、安心しろ智哉、今日の実験対象はお前ではない」

「え?」


 そ、そうなの?

 ならいいけど。


 ……とはならねーよッ!!!(ノリツッコミ)


「フッ、飲んでくれるな、篠崎?」

「はい、コーチ!」


 篠崎さんッ!!?

 ドクターヘルが例によっておっぷぁいの谷間から出した怪しい錠剤を、篠崎さんはキラキラした目で受け取った。

 篠崎さんのドクターヘルへの信頼がストップ高!!!

 そいつ今まで君にろくなことしてないけど、何が君をそこまで駆り立てるの!?


「だがこの薬は足立にも飲んでもらいたいのだ」

「え? 私もですか?」


 なっ!?


「私は嫌ですよ。そんなに暇じゃありませんし」


 ――!

 ……ほっ。

 よかった、まーちゃんは洗脳されてなくて。


「フッ、足立はこう言っているが、どうする、篠崎?」


 ――!!


「茉央ちゃん、一緒にお薬、飲も?」

「み、美穂……!」


 篠崎さんはあざとさマックスの上目遣いで、まーちゃんに薬を差し出した。

 篠崎さん――!!!


「も、も~、しょうがないなあ、美穂は~」


 篠崎さん大好き芸人のまーちゃんは、デレデレしながら薬を受け取った。

 ジーザス!!!

 ドクターヘルめ!!!

 CV速○奨キャラばりの人心掌握術を身に付けてやがる……!!


「「んがぐぐ」」


 仲良しコンビは仲良く同時にんがぐぐしたのであった。

 せめて、大事には至りませんように(フラグ)。


「うっ……!」

「あっ! ああああ!」

「まーちゃん!?」

「美穂!?」


 二人はいつものように苦しみだした。

 ……今回はいったいどんな。


「……えっ!?」

「こ、これは!?」

「「――!」」


 その時だった。

 途端に仲良しコンビの背が、仲良くしゅんしゅんと縮んでいった。

 まさか――!?


「フッ、実験は成功のようだな。――これが私の新発明、『ロリニナール』だ!」

「「「っ!!!?」」」


 ロッポリートオオオオオオオ!?!?!?!?




「ありゃりゃ、制服がぶかぶかになっちゃったよ。特に胸の部分が」

「そ、そうだね! わ、私も胸がぶかぶかだよー」


 ……いや、篠崎さんはそうでもないよ?(酷)

 前回のショタニナール同様、二人は10歳くらいの体型になってしまった。

 普段からゆで卵みたいなツルンとした肌をしている二人だが、今はそれに幼女特有のプニプニ感も足されていて、何とも言えない情景を醸し出している。

 これは絵面が大分ヤベェなッ!!!

 大丈夫かな、昨今のコンプライアンス的に!?


「ハァ、ハァ、み、美穂」

「勇斗!!?」


 ただでさえちっぱい萌えな勇斗に、幼女という属性まで付与された篠崎さんは完全に目に毒だッ!!

 下手したら事案まっしぐらだよこれはッ!!!


「勇斗、落ち着け。わかってると思うけど、幼女に手を出したら我が国では重罪だぞ。いいな?」

「……ワカッタ。幼女、手ヲ出ス、ダメ」

「そうだ、わかればいい」


 片言になってるのが若干気になるが、それくらい本能と戦っているということなのだろう……。


「フッ、安心してくれ二人共、今回も専用の衣装を用意している!」

「「「っ!」」」


 ドクターヘルはおっぷぁいの谷間から二着の服を取り出した。

 一着は白い長袖ブラウスと赤い吊りスカート。

 もう一着は水色のシャツに紺色のスカートだ。

 そこはかとない既視感ッ!!

 日曜日の夜あたりによく見る組み合わせッ!!


「お、大分おどるポンポコリンな衣装ですね」


 おどるポンポコリン言うな。


「じゃあ着替えはともくんが手伝ってね」

「えっ!?!?」


 それは流石にマズいでしょッ!!!

 世相とか完全無視か君はッ!!?


「それじゃあ私の着替えは勇斗くんに……」

「アア、イイゼ。任セロ」


 紳士勇斗!?!?

 だからマジで最近はヤバいんだってこの手のはッ!!!

 僕はお前が塀の向こう側オーバーザウォールに行っても、差し入れとか持ってってやんないからな!!




「FOOOOOOOOOOO!!!! よーし、みんなで『走れ正直者』を熱唱しようぜー!」

「しないよッ!!」


 そもそも今の若い子『走れ正直者』知ってるかな!?

 因みに二人がどうやって着替えたかは、諸事情により企業秘密です(迫真)。

 ただ、実際二人共ドクターヘルが用意した衣装似合い過ぎである。

 まーちゃんなんていつの間にかほっぺにピンクの丸書いてるし……(まーちゃんてよりはま○ちゃんだけど)。

 篠崎さんも伊達メガネをかけて、髪型を三つ編みのおさげにしている。

 前回もそうだったけど、今回もただのコスプレ大会だなこりゃ。

 まあ、二人共キャラ的にとてもマッチしてはいるけれども。


「フッ、いつもながら自分の才能が怖い。では私は纏めてくるぞ、そう…………レポートをな!!(溜め)」


 僕もお前のネジの外れっぷりが心底怖いよッ!!!

 せめて来世では真人間になれよッ!!!(今世は諦めている)


「ね、ねえ、おにいちゃん」

「「――!!」


 た○ちゃん――もとい篠崎さんが、上目遣いで勇斗のことを『おにいちゃん』と呼んだ。

 何とあざといッッ!!!!

 君は勇斗が塀の向こう側オーバーザウォールに行ってしまってもいいのかい!?!?


「ハァ、ハァ、な、何だいお嬢ちゃん。ハァ、ハァ、何でもおにいちゃんに言ってごらん? ハァ、ハァ」


 お前今の心拍数いくつだ!?!?

 最早自分でウォールをよじ登ろうとしてんじゃねーかッ!!?

 差し入れは何がいい!?(結局持ってってやるのかよ)


「おにいちゃんにご本を読んでもらいたいの」

「本?」


 篠崎さんは絵本らしきものを紳士勇斗に差し出した。

 篠崎さんのロールプレイ堂に入りすぎじゃない?

 まさか君達、普段からそんな遊びしてるんじゃないでしょうね?(疑)


「いいよ、おにいちゃんが読んであげるよ。何て本なんだい?」

「やったー。読んでほしいのはこれ、『ウサギとカメ』」

「ああ、『ウサギとカメ』ね」


 篠崎さんは勇斗の膝の上にチョコンと座った。

 そして勇斗は篠崎さんを優しく包み込むようにしながら、絵本を読み始めた。

 ううむ、これだけ見れば兄妹の微笑ましい光景に見えなくもないんだが、どうしても事案感が拭えないのは何故なんだぜ?


「ある時ウサギさんとカメさんはかけっこ勝負をしました。序盤で圧倒的な差をつけたウサギさんは、余裕ぶって居眠りをしてしまいました。その隙にカメさんは着実に進み、見事先にゴールしたのでしたとさ。『ふふふ、ウサギくん、どうやら勝負はボクの勝ちのようだね』『くっ! ……ああ、確かに油断したオレのミスだ。勝負はお前の勝ちでいい』『ふふ、じゃあ約束通り、キミの身体は今後ボクのものってことでいいね?』『……好きにしろよ』」


 僕の知ってるやつと違うッッッ!!!!!

 さてはこれ、ぶるうちいず先生作の絵本だなッ!?!?

 こうなってくると、ウサギくんはワザと負けたんじゃないかという疑惑さえ出てくるよッ!!

 カメも何かの暗喩に思えてくる……。


「エクストリームヘヴンフラーーーッシュ!!!!!! ありがとうおにいちゃん。今のは108エクッフくらいいってたよ」

「そ、そうか?」


 もう勝手にやってくれよ。


「ねえねえともくーん、私達も遊ぼうよー」

「あ、うん」


 ま○ちゃん――もといまーちゃんが、クイクイと僕の袖を引っ張ってきた。

 ほふぅ、こうして見ると、やっぱ幼女のまーちゃんも可愛いなあ。

 いつもの大人っぽいまーちゃんももちろん可愛いけど、幼女まーちゃんはそれにあどけなさもプラスされてるというか。

 い、いや、もちろん僕は勇斗と違って紳士じゃないから、幼女まーちゃんに欲情したりはしないよッ!?

 ホ、ホントだよッ!!?(必死)


「何して遊ぼっか?」

「おままごとがやりたいな」

「おままごと?」


 それって前回勇斗と篠崎さんもやってたよ?

 まあ、本来おままごとはショタよりもロリ向けの遊びだろうから、こっちが正解なのかもしれないけど。


「いいよ、おままごとしよっか」

「やったー。ともくんだーい好き!」

「ハハッ、ありがと」


 幼女から大好きと言われることへの背徳感ヤベェな。


「じゃあ私がお母さん役ね」

「うん?」


 お母さん役?


「で、ともくんは赤ちゃんの役ね」

「赤ちゃん???」


 そ、それって……。


「はーいともくーん、ママでちゅよー」

「――!!」


 まーちゃんはいつもと違う大層平らな胸で、僕の顔を優しく包み込んでくれた。


「ま、まーちゃん!?!?」

「よしよーし、いい子いい子ー」

「……まーちゃん」


 そしてまーちゃんママは、僕の頭をよしよしと撫でる。

 これは…………、伝説の『バブみ』というやつなのではッ!!?

 本来なら年上の女性に対して求めるべき母性を、あろうことか年下に求めるという極めて業の深い行為……!

 今まではそんなのあり得ないでしょと一歩引いて見ていた『バブみ』だけど、実際体験してみると……、名状しがたい複雑な感情が湧いてくるのがわかる……!


「大丈夫だよー。ともくんのことは、ママがずっとお世話してあげるからねー」

「――!」


 ダ、ダメだ……!

 これ以上進んだら、僕は一生引き返せなくなるぞ……!

 止まるんだ!

 ここで踏みとどまるんだ智哉ッ!

 絶対に、バブみに屈してオギャるものか……!


「――愛してるよ、ともくん」

「――!!!」


 ……嗚呼。


「ママーーーー!!!!!」

「よしよーし」


 ママはいつまでもいつまでも、僕の頭を優しく撫でてくれたのでした。


 バブみには勝てなかったよ……。




「さてと、じゃあ恒例のあそこ行こっか」

「え?」


 ママはとても幼女とは思えない程軽やかに、僕をお姫様抱っこした。

 ふおっ!?


「レッツラゴー」

「ま、まーちゃん!?」


 この流れはまさか――!?




「よしよし、いつも通り誰もいないね」

「……」


 そして連れてこられた場所は、いつもの保健室。

 てか僕、優子が保健室にいたとこほとんど見たことないんだけど、あいつ仕事してんの?


「とおっ」

「――!?」


 まーちゃんは僕をベッドに放り投げ、その上に伸し掛かってきた。

 ニャッポリート!?!?


「いやまーちゃん!? 今回はマジのマジでヤバヤバのヤバだよッ!!! いろんな意味で、アウトオブアウトだよッッ!!!!」

「大丈夫大丈夫」

「ん?」


 何が!?


「私がともくんを襲う分には、合法でしょ?」

「???」


 そうかな????(ダメです)

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