「『ちっこいズでのわっさほーい!』」
「「「FOOOOOOOO!!!!」」」
「ふーーーーーーーー」
「さあ遂に始まりましたちっこいズの冠番組、『ちっこいズでのわっさほーい!』。MCはわたくし田島勇斗と」
「あ、浅井智哉でお送りいたします……ってちょっと待ってよ勇斗! ……じゃなかった田島さんッ! 僕まだこの状況をよく理解できてないんですけど!?」
ふふふ、あさいくんもおうじょうぎわがわるいなあ。
でもおうじょうぎわってなにかなー?
ほうじょうまさこみたいなものかなー?
「はい、今回は初回放送なので私のほうからこの番組の趣旨を軽く説明させていただきますね。――『ちっこいズでのわっさほーい!』は肘川が誇る大人気アイドルグループ、ちっこいズの初の冠バラエティ番組です」
まあ、ろーかるてれびのばんぐみだけどね。
ところでろーかるてれびってなにかなー?
てんさいてれびくんみたいなものかなー?
「その栄えある番組MCに、私と浅井さんが大抜擢されたというわけです」
「そこがわかんないんですよね!!? 僕達はただの高校生ですよ!? MCなんて無理無理無理無理ですって!!」
だいじょぶだいじょぶあさいくんならいけるって。
なんてったってあさいくんにはみおがついてるんだから。
「あさいくんあさいくーん」
「今本番中だからねmioちゃん!?!? 1カメさんにバッチシ抜かれてるからね!!」
ちぇっ。
みおがせっかくきんちょうをほぐしてあげようとしたのに。
りべぽるしちゃうぞ。
「では早速ちっこいズのメンバー紹介からお願いします」
「はーい、テレビの前のみなさんはじめましてー。ちっこいズの監禁担当、『未来から来た監禁姫』、tamaだよー!」
「うんうん、シンプルでいい自己紹介ですね」
「謎の上から目線!?」
「今日はテレビの前のみんなの生命エネルギーを、ごっきゅんごっきゅん吸い取っちゃうお! ちっこいズの魔王担当、『異世界の妹系魔王』、mawoだお!」
「うんうん、シンプルでいい自己紹介ですね」
「その語彙でよくMC引き受けようと思いましたね!?」
「テレビの前のお兄さん達のハートを、私が癒してあげるからねー! ちっこいズのリーダー、『絶壁のブチギレ妹』、maiだよー!」
「うんうん…………シンプルでいい自己紹介ですね」
「もう今からでもMC降りさせてもらいましょう!! 悪いこと言わないから!!」
「おかねとけんりょくがだいすき。ちっこいずのあざとたんとう、『あらふぉーぎわくのはらぐろようじょ』、みおだよー」
「可愛いですね」
「そこは『シンプルでいい自己紹介ですね』じゃねーのかよッ!?!?」
たじまくんわかってるー。
「それでは最初のコーナーいってみまっさほーい!」
「そもそも番組名に田島さんの口癖が使われてるのはどうなの!!?」
みまっさほーい。
「最初のコーナーはこちら! 『箱の中身はなんだろな?』ゲームー!」
「古典的なのキタッ!!」
ふーーーーーーーー。
ていばんのやつきたーーー。
「『箱の中身はなんだろな?』ゲームは、手の感覚だけで箱の中身を当てていただくという斬新なゲームです」
「斬新の意味ググっておいで!」
ぐぐれかす。
「先ずはリーダーであるmaiちゃんに挑戦していただきます」
「えっ、私ですか!? む、むう、仕方ない、やってやりますよ!」
「頑張ってねリーダー!」
「ファイトだお、リーダー!」
「おむねがちっちゃいね、りーだー」
「クソがああああああ!!!! 今は胸は関係ないでしょうがああ!!!!」
「お、落ち着いてくださいmaiさん、本番中ですよ! すいませんうちのmioちゃんが……」
おいおい
もうみうちづらかよ。
ちゃんとせきにんとってよね。
「お、おっと、そうでしたね、これは私としたことが。じゃあ箱の中身だろうが何だろうが何でも当ててやりますよ! 箱持ってこいやー!」
でてこいやー。
「セット出来ましたね。ではmaiちゃん以外の方には中身を確認していただきます。――中身はこちら!」
「「「――!!」」」
こ、これは。
「えっ!? な、何ですかみんなそのリアクションは!? 何でそんなお通夜みたいな空気になってるんです!? メッチャ怖いんですけど!!」
「それでは『箱の中身はなんだろな?』ゲーム、スタートでのわっさほーい!」
「まだ心の準備がッ!! ……くっ、だが私もアイドルの端くれ。アイドル魂見せてやりますよッ!」
どっちかっていうと、これはげいにんだましいよりなきもするけどね。
「う、うわっ!? 何だこれ!? 凄くヌルヌルしてる……! それにムニムニしてて柔らかい……。えっ、待って。この感じって……、もしかして……」
「さあわかったらその場でお答えください」
「…………『ヌーブラ』」
「ピンポンピンポン正解です! よくおわかりになりましたね」
「あ、あはははは、たまたまですよ」
「あいようしてるもんね、まいちゃん」
「し、ししししししてないですよッ!!!」
きゃははは、めっちゃどうようしてるやんけ(かんさいべん)。
「見事正解されたmaiちゃんには、200のわっさほーいポイントが入ります」
「あ、ありがとうございます」
「出た! 謎ポイント!!」
「さて、次の挑戦者はmioちゃんです!」
お?
ついにきちまったか、しゅやくのばんが(とうちほう)。
「やったるぜ」
「頑張ってねmioちゃん!」
「ファイトだお、mioちゃん!」
「mioちゃんならきっと大丈夫。頑張ってね」
「うん、まいちゃんもほうきょうしゅじゅつがんばってね」
「クソがああああああ!!!! そんな予定ないですよおおおお!!!!」
「ホントすいません、うちのmioちゃんが!!!」
あとはふぉろーよろしくね、あさいくん。
「セット出来ましたね。ではmioちゃん以外の方には中身を確認していただきます。――中身はこちら!」
「「「――!?!?」」」
およよ?
みんなのこのかんじは。
そうとう
「それでは『箱の中身はなんだろな?』ゲーム、スタートでのわっさほーい!」
だがみおのじしょに『てったい』のにもじはない。
ひかぬ、こびぬ、かえりみぬ。
「えーと、どれどれ。んー、とってもかたいですねー。それになんだかながいものもついてる。――あ、わかりました。こたえは『さんじゅうごぶんのいちすけーるどいつりくぐんじゅうせんしゃてぃーがーあいんつぷらもでる』」
「ピンポンピンポン正解です! 答えは『1/35スケールドイツ陸軍重戦車ティーガーIプラモデル』です」
「「「――!?!?!?!?」」」
「ティッポリート!?!?!?!? mioちゃんのその知識はどこから!?!?」
ふっふっふー。
このくらい、あいどるならしっててとうぜんよ(どやがお)。
「見事正解されたmioちゃんには、200のわっさほーいポイントが入ります」
「ふーーーーーーーー」
「のわっさほーいポイントの使い道気になる!!」
「それでは次のコーナーいってみまっさほーい!」
みまっさほーい。
「次はジェスチャーゲームです。今回はちっこいズ全員で参加していただきます。ジェスチャーをする側と解答する側に分かれていただいて、時間内に正解すればみなさんに500のわっさほーいポイント差し上げます」
らくしょうだぜ。
「まずはジェスチャー担当がmaiちゃんとmioちゃん。解答担当がtamaちゃんとmawoちゃんでいってみまっさほーい」
「今更ですけどこの番組って僕必要ですかね!?」
あさいくんはひつようだよ。
みおのもちべーしょんあっぷのためにね。
ところでもちべーしょんってなにかなー?
ますたー……おっと、これはきけんがあぶなそうだからじちょうします(せふせふ)。
「問題はこちらです。maiちゃんとmioちゃん、確認できましたね?」
「はっ!? ……はい」
「はーい」
これはなかなかいいもんだいじゃん。
「それではジェスチャーゲーム、スタートでのわっさほーい!」
よし、いくよまいちゃん。
まいちゃんがなにかをもって、こそこそしながらみおのたってるところにきたから、みおはそれをうけとって――。
「んん? この感じは」
「何か買おうとしてるみたいだお」
「本……かな? あ、わかった! 答えは『本屋さんでエロ本を買おうとしたら、店員さんが美人だったので途端に恥ずかしくなってしまい、参考書と参考書でエロ本を挟む、通称【参考書サンドイッチ】で凌ごうとしたところ、店員さんが本のタイトルを読み上げながら会計をしたので黒歴史になってしまった』」
「ピンポンピンポン正解です! みなさんに500のわっさほーいポイントです!」
「「「FOOOOOOOO!!!!」」」
「ふーーーーーーーー」
「不正を疑うレベルなんですけど!?!?!?」
しっけいだなあさいくん。
ちーむわーくのたまものといってくれたまえよ。
ところでたまものってなにかなー?
きん……おっと、きょうのみおはぎりぎりをせめすぎだぜ。
こんなんで『ばん』されたらめもあてられないぜ。
「次は役割を交代します。tamaちゃんとmawoちゃん、問題を確認してください」
「はーい。おお、これはこれは」
「オッケーだお!」
はてさて、どんなもんだいがくるやら。
「それではジェスチャーゲーム、スタートでのわっさほーい!」
「ふむふむ、tamaちゃんとmawoちゃんがお互い頭を下げて挨拶してますね」
「しぐさてきに、たまちゃんはおとこのこで、まをちゃんはおんなのこっぽいね」
「初対面の男の子と女の子? でもtamaちゃんのほうは何だか浮かない顔してますね」
「あっ、わかった。答えは『ねとげでしりあったおんなのことふたりでおふかいすることになったけど、じぜんに「わたしぶさいくだからね。まじでぶさいくだからきたいしないでね」っていわれてて、そうはいいつつもそこそこのこがくるんだろうとおもってたら、まんまのがきてくろれきしになってしまった』」
「ピンポンピンポン正解です! みなさんに500のわっさほーいポイントです!」
「「「FOOOOOOOO!!!!」」」
「ふーーーーーーーー」
「まともな問題一個もないんですけど!?!?!?!? いつも黒歴史エンドだしッ!!!」
わかってないなーあさいくん。
まともなことしてても『すうじ』はとれないんだよ。
これだから『とーしろ』は。
「番組の最後はちっこいズの生ライブで締めたいと思います。是非観覧席のちっこいズファンのみなさんも合いの手を入れてください。それでは歌っていただきましょう! ちっこいズで、『徐々にタメ口になってくる新入社員』、どうぞ」
「結局のわっさほーいポイントの使い道は教えてくれないんですか!?」
らすとすぱーといくぜ。
「先輩地元どこっすか~」
「「「フワッ! フワッ!(野太い声)」」」
「おっ、肘川っすか、俺もっすよ~」
「「「ファイボー! ワイパー!(野太い声)」」」
「川沿いでよく遊んだな~」
「「「イエッ! タイガー!(野太い声)」」」
「ともだちとみんなでばーべきゅーもしたっけ~」
「「「オイッ! オイッ! オイッ! オイッ!(野太い声)」」」
「あれあれ~」
「さてはこいつ~」
「こうやって徐々に~」
「ためぐちにいこうしようとしてやがんな~」
「「「エル・オー・ブイ・イー・ちっこいズー!!!(野太い声)」」」
「いや確かにそういう人たまにいるけれども!?」
やりきった。
これでみおもまたいっぽ『ざぎしすあいどる』にちかづいたぜ。
ああ、ざぎしすあいどるっていうのは、『ざぎんでしーすーたべてそうなあいどる』のりゃくね(ようしきび)。
「それでは来週もまたこの時間にお会いしまっさほーい!」
「僕はなるべくならお会いしたくないですッ!!」
またまたあさいくんはこころにもないこといってー。
つんでれかよ。