「いよっしゃあ!ゃったりぃ!」
ガキンさんが、拳を振り喜ぶ。
「リチュの『
成功するか不安だったが、出来るもんだな。」
リズさんが顎に手を置き、感心する。
「ね?上手くいったでしょ?まぁ、着色ができなくて困ったけど、リチュお姉さんが体の色を変えれるの教えてくれて、助かったよ。」
目を閉じ、笑顔を見せて言うキズーさん。
私も彼に笑顔を返す。
突然、私の両肩と頭に、ナイトバード達が止まった。
彼らを見ようとして、私は振り向く。
そして、私の背後にいた、ダイヤさんの姿が消えていることに気づいた。
「あ、あれ?ダイヤさんは?」
私の言葉で、他の3人もダイヤさんがいた方を見る。
「な!まさか。あいつ生きていたのか!? それとも、森の魔物に食われちまったか?」
杖を構え当たりを警戒するリズさん。
しばらくして彼女は、「ここにいるのは危険だな。すぐに襲ってくるわけでもなさそうだし、1度村へ戻ろう。」と言い、私達は村へ戻ることにした。
リズさんが、目をこすって「あれ?ここは?」と言っているイーシャさんの手を引く。
「ちょっと、悪夢にうなされてたからな。外に出てたんだ。さぁ、帰ろう。」
リズさんが笑顔を、イーシャさんに向ける。
直後、彼女は不思議そうな顔をした。
「ん?イーシャ。お前何を持って…。」
リズさんは、イーシャさんの持つものを見るために視線を上げた。そして───
「わぁ!!」
リズさんは、イーシャさんから離れる。
イーシャさんの手には、黄色い風船が握られたままだった。
「ま、まさか爆弾か!?」
驚いている彼女たちに、私が応える。
「いえ。風船からはマナを感じません。」
「そ、そうか。」
リズさん達は、「ほっ」とため息を着く。
そして私達は、改めて村へと向かっていった。
──────────
私達は村へ戻り眠りについた。
そして次の日、私達が目を覚ますと、村に、リードさんとタンクさんが来た。
「お?遅かったな。上手くいったのか?」
リズさんが2人に駆け寄る。
しかし2人は、あまり元気そうではなかった。
「いや、それが…。」
苦しそうに言うタンクさんに、真剣な顔をするリズさん。
「どうかしたのか?」
突然、リードさんが、リズさんに頭を下げる。
この人、よく頭下げるなぁ。
「すまねぇ。王は納得してくれなかった。『せっかくの儲けを無くすつもりは無い。』との事だ。」
「本当に、あの王。自分のことだけだな…。」
若干引いたように言うリズさん。
よく分からないけど、オウさんとの話は上手くいかなかったらしい。
「それで。それに俺達は、反論したんだが。そのせいで、俺らは首都『ヒューマノン』から追放。出禁を食らってしまった。」
「まじか…。」
3人はしばらく黙っていた。
そして、リズさんが口を開く。
「そ、そうだ。子供達の拉致をしていた男を見つけた。」
リズさんの言葉に、2人は驚いていた。
「ダイヤという男で、太ったピエロだった。リチュに、ガキン。キズーの手伝いもあって、奴を上半身だけにできたんだが。少し目を離している隙に、そいつは消えちまったんだ。」
「ふむ、普通に考えれば、なにかの動物に食われたか。」
リードさんが顎に手を当て言った。
彼の言葉に、リズさんが頷く。
「ああ。だが、あいつは自分のことを悪魔と言っていた。何があるかは分からん。念の為気をつけてくれ。」
リードさんとタンクさんは、彼女の言葉に「分かった。」と返した。