「んー、他には?マイカっち?」
アフネスのマイカへの問い掛けは続いている。
「うん、あと、魔法とは違うと思うんだけれど、私が真剣に本当の事を言うと、聞いた人にとっては突拍子もない事でも、何故か信じて貰えたりとか、私が質問すると、聞いてもいないところまで答えてくれたり、その人にとって都合の悪いような事でも教えてくれたりとか…」
「それ特殊
スゴいね、マイカっち。魔法と特殊
「皆使えるの?」
「うん、ワタシら3人ともー。あ、マイカっち入れて4人かー。
もしかすると、この4人で全員なのかも?世の中でー。そんだけ珍しいのー。」
「へえー……その
「こんな能力があれば!とか、欲しい!とか長い年月ずーっと念じていたら、突然、芽生えたんよー。
ワタシは100年ちょっとくらいかかったかなー。」
「私は50年もかからなかったわ。
私の
と、リーセロットも自分の
(エルフは長生きなのは知ってるけど、100年とか50年とか、リーセロット、ララ、アフネスの3人は、一体
「既に…?」
と、マイカはリーセロットが話した
「そう、そこから仲間に出来るってもんじゃなくて、既に仲間だった、と思ってくれるのよ。これは凄く役に立ったわ。」
「あ、リーセロット、その
「いいえ、使ってないわ。だって、私の方から
「私の特殊
と、ララも自分の
「これはね、私が影の魔法で物影に潜んだとしても、気配を消せていないと、バレてしまうことがあったから、気配を消せるようになりたい!って、ずっと思っていたのよ。」
「あっ、それか?インハングの街での事は?」
「はい。あっ、そう!完全に気配を消した筈なのに、あのハンデルって男には気付かれてしまった…」
「うん、ハンデルが言ってたよ。都会の人混みの中、四方八方に人の気配がある中で、全く気配がない所に違和感を感じたからって。
森の中とかだったら判らなかっただろうって言ってたよ。」
「クッ…使い方がまずかったということね。
…しかし、ハンデルって…」
「ねっ、ムカつくぐらいに腕が立つんよ、あのハンデルって男は。」
「一通りワタシやリーセロットちん、ララちんから説明を受けて判ったかなー?
マイカっちは、自分のその
コッチに来て間もないから、前世に強く望んだり、願ったりした事になるよねー。」
「…うん、私さ、前世では真剣に話しても、中々信じて貰えない事が多々あったんだよ。
…その…さっき皆が笑ったりした見た目のせいでね…
そんな
「ギャハハハ!」
「ハハハハッ」
「フフフフッ」
「あ、また笑ったな!…まあ、それで、本当の事を真剣に話しているんだから信じてくれよ!って強く思ってたな…
あと、前世の警察の仕事の中でね、取調べ、とか、職務質問、とかいう、人に色々と質問して、こちらが知りたい事を聞き出さなきゃならないって事がイマイチ苦手でね…
その他の事は得意だったから、これさえ得意だったら、完璧なのになあ、って、ずっと思っていたよ。」
「フムフム、なるほど…で、マイカっち、その特殊
その
(…確かに何でもかんでも信じ込まれたり、何でも聞き出せたりって、人と関わる上で、いつも必要って訳じゃないかもな。)
「うん、そうだね。アフネスの言うとおり、オンオフを使い分けて、ここぞ!という時に使うようにした方が良さそうだね。」
(んー…名前ねぇ…
真実…伝える…眼差し…
それと、職務質問…そういや、事件のこと以外でも色々と聞き出せていたな…
どんな事でも聞き出せるって、万能だな…)
「
…これで良いのかな?魔法と違って効果がよく判らないけど…」
「んー、大丈夫と思うー。でも
まー、直ぐに判ると思うしー、心配しないでー。」
「うん。なんか今日一日で、いや、アフネスと話して色々と判ったよ。ありがとう。
ところで、あなたのその真実を見極める
「んー、もういいよー、使わなくてもー。
これからはマイカっちが、これについて聞きたいって思うときに使ってあげるー。
リーセロットちんやララちんにも、もう全然使ってないしー。まー、付き合い長いからー、そんなもん使わなくても判り合ってるって感じー。」
(ホッ、何もかも見透かされるのは良い気分じゃないから良かったぜ。
ていうか、オレの
「さあて、あらかた話も落ち着いた感じかなー?
じゃーさー、マイカっち、お風呂でも入るー?この高い塔に登ってきて汗かいたでしょー?」
「お風呂?」
「うん、この部屋の奥にぃー、お風呂あるんよー。」
「こんな高い塔のてっぺんに?」
「うん、そーだよー。この皇宮はねー、私が土の魔法で温泉が出るよーにしたんだけどねー、それを風の魔法でここまで吹き上げて汲んでるのー。」
「へえー、便利な魔法だね。」
「そーでしょー。
あっ!折角だからー、更なる親睦を深めるためにー、皆で一緒に入ろーよー。」
「えっ!!??
ああああー、いやいやいや、私、オッサンだよ!中身!判ってるでしょ!!」
「んー、でも今は可愛い女の子じゃんー。だから全然問題ないーみたいなー。」
(素人童貞だったオレには刺激が強すぎるって!皆、揃いも揃って、美人だし、巨乳だし!下手したら心臓止まるわい!)
「いや!遠慮しとく!!じゃあ、私はこれで…」
椅子から立ち上がったマイカの両脇を、リーセロットとララが固めた。
それぞれ、自分の腕をマイカの腕に絡ませて
「そういえばマイカ、
いいわ、たっぷり生で見せてあげる。
と、リーセロットが言い
「お背中を流して差し上げ…、あ、背中流してあげるわ、マイカ!
…フフフ、何なら前の方も…ジュル…」
と、ララが続けて言った後、2人声を合わせて
「さっ、一緒に入るわよマイカ!覚悟を決めなさい!!」
と言ってマイカの腕を引っ張り、このアフネスの私室の奥のドアの方へ連れていこうとした。
アフネスが先回りしてドアを開け、マイカはズルズルと中に引き込まれていく。
「う、うっ、うわああぁぁーーっっ!!」
全員、中へ入り終わると
「バタンッ!!」
と音を立ててドアが閉まった。
第56話(終)
※エルデカ捜査メモ〈56〉
アフネスは、リーセロットやララに対しては、もう「真実を見極める」
これは、いちいち人の本質を覗いてしまうと、当然、好悪別に人を選別してしまう事に繋がり、公平を期さなければならない組織の長として、相応しくない事だと思っているからである。
ただ一点、ヘローフ教徒であるか否かについては、その