《サーチ開始まで3…2…1…》
「「GO!」〜」
ピピッ!!
サーチが示す場所は私たちから見て真正面。これは…
「近いね〜闘技場の手前か〜…。ナユカ〜、急がないと闘技場には人が集まるから〜、オーブの競争率がものすごく高くなるよ〜」
「うん!急いで行くよ!!」
私はすぐさま〔ジャンプ〕を起動。ユキもすぐに〔飛行〕で追いかけてくる。闘技場に近いということは、かなりのひとが来るはず…、なんてったって昨日の人の量、半端なかったからね。そんな人達よりも先に取らないといけない。別に諦めてもいいけど、15分もまた暇つぶしするのは少しめんどくさい。
闘技場までの距離は、飛んで行けばあっという間で、もう目の前に大きな建物が見えてきている。あれが闘技場。そしてその近くにサーチが反応したということはもう付近にあるはず。
「ユキ!!オーブの場所わかる!?」
「ちょっと待ってね〜。〔地図〕〔立体〕〔表示〕!見つけた!!このビルの中!上だね〜」
「え?ビルの中って結構でかいビルなんだけどなぁ」
ほんとにこの中なの?
「早くしないと〜、たぶんもう何人かはビルに突入しているよ〜。いこいこ!」
「う、うん!」
なんかすごい高いビルの上にあるみたい…。何階建てかな?100階位はありそうだよね。
ユキはそのまま突っ込んで行く。ビルの壁に…。いや!?ぶつかるよ!?全面ほぼガラス張りみたいな見た目してるけど、今の時代の窓ガラスはめっちゃ硬いよ!!(窓にタックルかましてぺちゃんこになった経験者は誰かな?)
私たちは建物を避けるためにかなり高めに飛んでいる。ビルの40階ら辺。てっぺんまでまだまだあるけど、かなり高い高度だ。
「はぁぁ〜ッとりゃ〜〜!!」
なんとも気が抜けそうな掛け声のあと、ユキは片手に爆弾を…。爆弾!!?ちょっ!?まっ!
ドカーパリパリパリンパリパリパリパリーッッッ!!
「よいしょッ!!もう1発!これでよし!!ナユカ上に全速力!!!!」
「いやいやいやいや!!なにしてんの!」
「ん?爆発☆」
私たちは全速力で上に飛ぶ。ユキ…、もう突っ込まないよ…。さも当たり前のように窓ガラスをぶち破ったユキだが、窓ガラスが一部割れビルに空いた穴からは中には入らず、すぐに上に飛ぶように指示される。上?
「上に行くのはいいけど、ビルの中に入りたかったんじゃないの?」
「いやいや、オーブがあるのはビルの上層だよ〜?そして、大体のプレイヤーはビルの下から直通の階段を登るか〜。私たちみたいに外から登る人達になるよね〜?」
「うん。下にプレイヤー来てるし…」
中高度飛んできたのが幸いしたね。
「私たちの上には人はいないよね〜?」
「いないね。ビルの反対側とか側面は分からないけど…」
「じゃあ〜…。ビル。壊しちゃお?」
「なんでそうなる!?じゃあ〜、の意味が分からないよ!!」
楽しそうに言うけど、ビル壊すとは一体何をしでかすおつもりで!?
「まあまあ〜、見ててよ〜。そろそろだから」
「はい?」
ユキが私にそう言った瞬間。私たちが開けたビルの穴に異変が起きる。そう、既に爆弾は放り込まれていたのだ。さっき…
何人かの後続のプレイヤーはその穴に向かって今現在も激しい戦闘を繰り広げ…
キラッ…
ドッ─────
そこから音が一切聞こえない。
状態異常:耳鳴り
わーお。
それは、一瞬キラリと光ると、周りにいたプレイヤーなんてものともしないで大爆発した。爆発はあたりを破壊し、ビルの中心軸まで到達したのでは無いだろうか。それだけでは終わらない。
先程の爆発の影響で、私たちよりも少し下までの窓ガラスが全て割れ。何とか爆発を
「───…ンうん、いい感じだね〜」
何とか聴力が回復してきた。いい感じって…。もうビルの中の人たちは、爆発の揺れやらなんやらでそれどころじゃないと思うよ?
「何…?あの爆発?」
「あれは、知り合いに爆弾大好きなやつがいてさ〜。その子のお手製〜」
「うん…。とりあえず投げたユキもだけど、作った人も変人の
「火力バカだから仕方ないよ〜」
「ユキもそこに入ってるからね?」
「さぁさぁ〜、早くオーブ取りに行きますわよ〜」
話を逸らして逃げたな…。口調が
さっさとさっきの爆弾の余波でできたビルの崩れた場所を探し、中へ行くユキを睨みながら私も後ろを追う。
あ、中もすごい荒れてた。
*
「あった〜」
「やったッ!」
「ナユカ、誰か来る前に早く取って〜」
「うん!過程はどうあれありがとう!ユキ!!」
ビルの中に入ってから数分、あれからほとんどのプレイヤーに会うこともなく、オーブを確保することができた。あ、今回のオーブは黄色だよ!
私の中に吸い込まれていくオーブ。
《スキル・技名を獲得しました》
うん!今回は狙い通り〔技名〕を獲得することができた。これで
さっそく〔技名〕のセッティングに入りたいが、今は屋内なので弾幕を試したりできない。大人しく先にビルから出ることにした。
あ、言っとくけど半壊のビルはプレイヤーがいなくなったタイミングで元に戻るらしいから安心してね。
もちろん、軽く
だって高層ビルが半ば半分からポッキリ。それはもう折れてしまっているのだ。したの状況なんてとんでもない。ユキが「
ステータス
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名前 ナユカ
所持金 154800G
HP 0├────────╂──┤
MP 0├───────╂───┤
《スキル》
『パッシブ』
「原型」
魔力
「強化系」
体力強化
『アクティブ』
「属性系」
火 火炎 爆発 光
「鑑定系」
植物鑑定
「色彩系」
赤 青 緑
「動作系」
叩く 躱す 回す 伸ばす 直角 止める
減速 連動 集合 スーパーアクセル
「設置系」
魔法陣
「音響系」
歌唱
「表示系」
地図 表示
「部位系」
足
「命名系」
技名
「飛行系」
ジャンプ
「造形系」
星
『?』
魅力 鍛治
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