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T069  スキルを使わずに弾幕を避けるミニゲーム





 個室を出た私たちは、そのままその足でうわさのブースへ向かう。今回は姿隠しのカプセルは使っていない。3人で生放送しているので、向かうまでにも色々話したりしながら時間を潰す。

 もちろん色んな人に見られるが、これまた私たちが行く進行方向には、何故か海がまっすぐ割れるがごとく道ができていく。

 そこを歩く私もなんか怖くなってきたよ。ユキは前回の闘技大会とかどうしてたの?






*





 しばらく歩いていくと、その噂のゲームができる場所。ワンライフという期間限定ミニゲーム会場にやってきていた。


「ここみたいですね」


「人多いなぁー…」


「見物人が多いですわ…。来る前に生配信で言っちったから尚更集まって来ましたのね」



「後ろからも、ぞろぞろと追って来てる人が多いですね」


 さらにその会場には多くの人が並んでいた。あれ順番待ちしないとダメ?


「せっかくここまで来たんです。1回はやっていきましょうか」


「結局あれは何するとこですの?」


 あ、そういえば内容知らないね。そのまま列に並ぶとその途端とたん視界にミニゲームのルールが出てきた。なになに?



ーーーー


ミニゲーム:ワンライフ


 ワンライフへようこそ!ここでは普段ではないルールで次々に飛んでくる弾幕を避けてもらうよ!1回1000G!


 それではルールの説明だぁ!


・プレイ人数は1人

・「スキル」の使用禁止

・「アイテム」の使用禁止

・服装指定(支給)

・5分間耐久

・生存時間により報酬アップ

・被弾で即ゲームオーバー


 以上!頑張ってね!!



報酬一覧


0:10+アイテム「アメ玉」

0:20+10G

0:30+素材「薬草」

0:40+10G

0:50+アイテム「ドリンク無料チケット(限定)」

1:00+装備「第3回闘技大会記念バッチ」or10G

1:10+30G

1:20+アイテム「ポップコーン無料チケット(限定)」

1:30+50G

1:40+アイテム「低級回復薬」

1:50+100G

2:00+白オーブ〔掲載〕or100G

2:10+100G

2:20+アイテム「簡易結界札」or100G

2:30+装備「ワンライフアクセサリー」or100G

2:40+100G

2:50+500G

3:00+緑オーブ〔念話〕or1000G

3:10+1000G

3:20+アイテム「低級解毒薬」

3:30+1000G

3:40+素材「金」

3:50+2000G

4:00+装備「ワンライフ装備」or2000G

4:05+アイテム「サーチ白以下スキル指定」or2000G

4:10+2000G

4:15+素材「魔道紙」or2000G

4:20+3000G

4:25+アイテム「姿隠しのカプセル」

4:30+称号「回避の極意」or3000G

4:35+5000G

4:40+素材「ミスリル」

4:45+アイテム「サーチ緑以下スキル指定」or5000G

4:50+青オーブ〔追尾〕or5000G

4:55+素材「転移クリスタル」or5000G

4:59+アイテム「身代わり人形」or10000G

5:00+黒オーブ〔合技〕or10000G

先着1人限定+称号「ワンライフの覇者」


※なお、語尾にゴールドが記載されている景品は1人1回しか貰えません。





ーーーー



 と、なんとも細かい報酬だ。でもあなどることなかれ。コメントによると現在最高到達時間は4:35.12。


 0:00〜1:00までが、お遊び

 ↓

 1:01〜2:00までが、結構難しい

 ↓

 2:01〜3:00までで、ほとんどの人が終了

 ↓

 3:01〜3:30までが、もはやプロ

 ↓

 3:31〜4:00無理じゃね?

 ↓

 4:01〜4:30無理

 ↓

 4:31〜 \(^o^)/


 というなんともまあ、クリアさせる気ないだろと、もっぱら叩かれている。


 さて、まだまだ待ち時間はあるので、3人で他のプレイヤーがミニゲームをしているとこを眺めている。ちなみにステージは正方形で、一遍いっぺんが12メートルになっている。また所々に障害物があり、それぞれ高さも形も違う。


「初めはほんとにお遊びみたいですわね」


「うん」


 初めてすぐは、前からひとつ魔弾が飛んできたり、横からひとつずつ飛んできていたりと簡単そうに見える。


「これからです」


 1分を経過した段階から、前から、後ろからと全方面から魔弾が飛んでくるようになる。プレイヤーを直接狙う魔弾や、少しズレて飛んでくる魔弾などが有りなかなかに厄介だ。途中から魔弾の数も増えてきている。


 そして2分経過。ここからは、もう全面から一斉に弾幕が迫ってきていたり、真上から視覚を突くように降ってきていたり、弾速が違ったりと、数も種類も増えている。


「あれはやばいですわ…」


 大体のプレイヤーは2:30にいけるか、いけないかくらいでゲームオーバーになっていく。


「なかなかレベルが高い」


 私たちの順番が来るまでに、唯一3分に到達した人がいたのだが…



 「あ…」


 3分を境に、今度は弾幕が止まったり、曲がったり…。まるでスキルでも使っているかのような挙動きょどうをしだし、あっけなく散っていく。


「クリア…は。無理そうですね…」


「ですわ…」



『だろーな』

『運営のクリアさせる気のなさ‪w』




「が、頑張ろう!ね!」



 目の前で散っていくプレイヤーを前に、それが精一杯言える言葉だった。

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