『アキアカネ』
『はっ!しょ、勝者「リリース」!!』
ワーーーーーー!
吹き
皆、とりあえず「何かよく分からないけど凄かった!とりあえず周りに合わせて声を上げとこう」の図である。
そしてそんな中に既に2人ほど身構えている人物がいる。本来なら全大会全種目優勝を勝ち取ったことを一番に喜ぶべき圧倒的強者。
「ユキ?どうしたの?」
そんなユキの喜びの欠けらも無い…何かを待ち受ける真剣な表情に気づいたナユカが声をかける。
『ヒカリ?何探してるの?そんなに身構えて』
一方その頃同じくヒカリの静かさに気付いたアキアカネがマイク
そう、2人は立場は違えど次に起こることが予測できている。これが単なるイベントで終わらないということを…
1人は意図的に狙って引き起こすもの。
1人は状況や先程のGMの態度などで
そしてその2人の予想は
「『きた!』」
「え…!?」
〖全プレイヤーに通達致します。これより大規模アップデートを開始致します〗
この世界の隅々《すみずみ》に
今まで数回起こったゲームの根本をひっくり返すような大きな変化が起こる
周りの観客は今度こそ一斉に歓声をあげる。その唐突に起こった革命の前兆は、人々の待望であり嬉しくないはずがない。大きな大きな変化をもたらす今度の革命はなんなのか。
この時、全てのプレイヤーが「リリース」を思い浮かべる。今までにない新しい要素を引っさげてきたそのパーティー。
その
それはここまで全て計画してきたユキでもそう思っていたまである。
〖今より1時間後にメンテナンス期間に入ります。それまでにゲームを退出してください〗
そう…。ここまでは予想通り
〖全プレイヤーに通達致します。規定された条件
・産業革命
・魔法革命
・大空革命
・海洋革命
・原型革命
・プレイヤー人口
が、
「はい?」
これはユキですら全く予想していなかった珍事件。
「ユキ、なにこれ?」
この状況をナユカは知らない。これが革命の前兆ということを知らないナユカはユキに質問を投げかける。
「はっ!!あ、あぁ〜ごめんごめん。これが革命の前に起こるワールドアナウンスだよ〜。それだけじゃないかもだけど…」
「あ、これがそうなんだね!じゃあやったね!ユキ革命者になったよ!!」
「う、うん」
ユキの内心は喜びよりも困惑の方が強かったのだが…。どこまでも呑気なナユカを見て考えることをやめた。たぶん、ナユカが喜んでるからそれで良かったのだ。細かいことは気にしない方がいい。うんうん。
そう思いながらナユカに向かって微笑むユキ。その微妙な微笑みはビュアが激写に成功していたとか。
革命と同時に次のイベントが動き出したのだった。
*
やがて闘技場が一旦封鎖される。また、一時的に全エリアが戦闘不可エリアに変更された。
全プレイヤーはログアウトすることもなく今か今かとそのワンタイムイベントを待つ。
そしてワールドアナウンスからちょうど30分。その時が来る。
〖これより、ワンタイムイベント「来訪者」を開始致します〗
全プレイヤーの視界が暗転し唐突にそのイベントPVが始まった。
*
「高速
「減速まで…3…2…1…」
ドーン!!!
それは暗い暗い宇宙のど真ん中に現れた。超高速から通常潜航に切り替える時に放つショックを何とか
「前方に目標恒星を確認!!生物探査を開始致します!!」
「多数の生物反応あり!!複数惑星に食料となり得る物体がある可能性高!!」
「
制服らしき何かを着込んだ人達が
ブーブーブー!!!!!!!!
緊張感
「後方より敵弾確認!!」
「回避運動!!」
「ダメです!!本艦隊に突っ込んで来ますッ!!」
「着弾!!!!!」
ドゴーン!!
とてつもない振動と破壊音。そしてどこから更に増えるアラートらしき音。
「
「メインコントロールシステムダウン!!」
「通信システムもダウンしましたッ!!」
「なにッッ!!!?」
「後方より敵弾追加で出現しました!!」
「艦隊状況はッ!?!」
「ダメです!!各艦に
「サブシステム起動しました!!!」
「各艦に通達ッ!!各艦!各惑星にて現状を打開せよ!」
そうしてその艦隊らしき複数の船はそれぞれバラバラに落ちていく。
*
プレイヤー達の視界が戻りいつも通りの現実に近いゲームに戻ってきた。
先程流れた映像、あれはなんだったのか?この対戦メインのゲームに
プレイヤー達の疑問は尽きない。だがこれはイベントとして流された映像で紛れもないRBGである。
そして考える暇もなく答えが投下される。
光り出す空に。
そして、それは、
Reality barrage Gamers の世界に降り注いでいた。
ーーーー
【ワールドクエスト】
・勝利条件 ???
・敗北条件 各惑星。衛星の敗北。???の全滅
勝利報酬:???
備考:彼らに決して屈してはならない。
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〖メンテナンスを開始致します。プレイヤーの皆様を強制ログアウト致します〗
第2章 闘技大会編〜完〜