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第44話

「クラスの出し物を決めます」


文化祭の実行委員決めが思って以上に早く終わったから担任が

「このままクラスの出し物の話すれば」と提案したことで

残りの時間を使ってクラスの出し物を決めることになった。

文化祭の出し物は食べ物を提供するようなお店形式や何かしらの作品を展示する形式でも基本的にはなんでもありだ。

ただ、あまりにも出し物がかぶった場合や過激なものだった場合生徒会からストップがかかるようになっている。

去年の俺たちのクラスは展示だったからやる気のある生徒が頑張って、俺みたいに陰キャはちょっとした作業だけで済んでいた。

ラノベ的なイベントだと文化祭のイベントに力を入れれば入れるほど作業量が増えて陰キャも稼働しないといけないから


進行は森田だ


「みなさんやりたいことがあれば挙手お願いします」


「カフェ」


「メイド喫茶」


「お化け屋敷」


「室内遊園地」


「パンケーキ屋さん」


「タピオカ」


「かき氷」


「迷路」


「光の国」


定番のものからよくわからないものまでたくさんの候補が出た。

さくらさんはそれを聞きながら一応全部黒板に書きだしている。

森田もいい感じの雰囲気を作りみんなが意見を出しやすいようにしている

端からみてもこの二人の組み合わせはすごくよさそうだ


「う~ん。こんなに候補がでたら決まらないな」


「そうだね。もう少し絞れた良いけど、なにか意見がある人はいない?」


クラスに沈黙が訪れる。

自由に意見を出しいいといわれたときほど積極的になり、もっと深い意見が欲しいといわれたときには消極的になる。クラスの出し物あるあるだ。


「どうしようか。松岡くん、なんかいい意見ないですか?」


「えっ」


さくらさんが急に俺の名前を出した。

そしてその瞬間クラスの視線が一斉に俺に集まった


「なにかないかな」


さくらさんは少しニヤニヤしているように見える表情で俺の方を見ている

あっ多分わざと俺を困らせようとしているとは思ったけど、この視線をかわす方法が思いつかない


「えっと。。。」


「嶋野さんのメイドがみたい」


「嶋野さんのコスプレ姿がみたい」


みたいな男子の声が聞こえてくるのは気のせいだろうか

そりゃ俺だって愛のメイド服姿や他のコスプレ姿が見たいという気持ちはある

200%可愛いからだ。しかも俺たちのクラスは美人が揃っていると話題である

愛をはじめ、さくらさんや、学級委員の桐生さんや他にも美人が揃っていると思う。

だからこそメイド喫茶や他のコスプレなんかはバズる可能性が高いと思う。

だがしかし、愛の可愛い姿を他の男たちに見せるのも彼氏としてはどうなのかと思ってしまう。

これらのことを一瞬で考え俺は一つの答えを導き出した


「男女逆転コスプレカフェはどうでしょうか?」


「男女逆転。。。嶋野さんの男装。。。それもありなのか」


「春乃さんの男装もみてみたいかもしれない」


男子の反応は上々である。


「面白そう」


「男子の女装も案外うけるかもね」


「嶋野さんの男装姿が見たい」


女子の反応も上々


「松岡くん、どうして男女逆転コスプレカフェなのかな?」


さくらさんが俺に質問する


「先ほど出た候補の中にパンケーキとタピオカがありました。これはカフェでまとめれるメニューなのかなと思ったのと、通常のカフェは他のクラスとかぶる可能性が高そうだけど、男女逆転だとかぶるクラスも減るのかなと思ったからです。安直ですいません」


「他に意見はありませんか」


森田が他の生徒に意見を求める


「男女逆転コスプレカフェがいいです」


急に愛が意見した。

クラスの生徒は「誰の声」となったが、愛の意見だとわかった瞬間

生徒の目線はまっすぐさくらさんの方を向き、「男女逆転コスプレカフェ」に決定したのだった。


「愛、急にどうしたの?びっくりした」


「みっちゃんが出してくれた意見を無下にしたくなかったから」


「そんな大げさな」


「私はみっちゃんが考えて出してくれたやつがいいの」


「それならいいけど」


「それに」


「それに?」


「みっちゃんの女装みるの楽しみだし」


「そうだった」


俺は無意識に愛やさくらさんが男装する姿を想像して意見をだしたが、俺たち男子が女装するほうを全く考えることができていなかった。

敬都の方をみると「お前は馬鹿だ」という目でこっちをみている。

女装を楽しめる陽キャはいいが、俺たちみたいにな陰キャが女装したらと考えるとお腹痛くなってきた


「敬都当日どこでサボろうか」


「屋上がいい気がする」


「そこのオタク二人組。。。」


前の方を見るとさくらさんがこっちを怖い表情で見ていた

多分今のさくらさんの気持ちを読み取ると

「お前が出した意見でサボるとかふざけるな」

的なことを考えているのがわかる。


「敬都当日頑張ろうな」


「うん。頑張ろう」



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