『貴様ら全員皆殺しだっ!!!!!』
俺の絶叫に―――
一瞬、会場内のギャラリーは黙り込んだ
ものの、
やがてクスクスと笑い声が聞こえ出し、
そして大爆笑となって会場を揺るがす。
『何それぇ!?』
『『
『おう、やってみろやー!!』
と、ヤジが飛び交う状況の中、
俺にマイクを渡した司会役の男が
近付いて来て、
「もう言い残した事はないですかー?」
ニヤニヤしながら、その身長差で俺を
見下して来る。
「まずはお前からだな」
「はぁー?
これでもわたくし、『
アーリウスと呼ばれているんですよぉ?
魔法・武器・肉弾戦……
どんな攻撃も通じませーん!!
さあ、さっさとそれを渡しなさーい!!」
俺の言葉に対し、からかうようにして
手を出して来るが、
俺はその手をつかむと―――
「はいぃっ!?」
その腕にしがみつくようにして、いわゆる
腕ひしぎ逆十字を
そしてそのまま背をのけ
神経が
体に伝わり……
「ぐっぎゃあぁああっ!?」
マイク無しでも観客に届くほどの叫び声を、
アーリウスとやらはあげて、
地面に転がりのたうち回る彼を、今度は
足をつかんで、
「ひぎいぃいいっ!!」
今度は膝十字を極めて、左足を破壊する。
これで先ほどの右腕と合わせて手足1本ずつ
壊し、ひとまず戦闘不能にしてから、
「武田さん、スフィアさんを抱えて飛んで
避難してもらえませんか?」
俺の言葉に彼女はうなずき、その通りに
飛んで上空へ向かう。
「あとみなさんは一ヶ所に固まっていて
ください」
俺の『対戦相手』であった……
非戦闘系スキル、もしくは低スキル持ちの
集団に話しかけると、
俺は敵ではないと認識してくれたのか、
大人しく中央に集まり出す。
「さてと、それじゃ―――」
俺が次の目標を探すように、観客席や
周囲をぐるりと見渡すと、
「あ、あの……
あなたは何をするつもりなんですか?」
不意に、同じ境遇の人間から声をかけられ、
「えーと、まあ、そう―――
ゴミ処理ですね」
そう言い残すと、俺は観客席へと
駆け出すと、
『きゃ、客席のみなさまは避難して
ください!!』
戦える人は殺しても構いません!!』
俺に対してであろう、緊急放送のような
ものが会場内に流された。