「橘さん…?大丈夫?」
お昼休憩から戻ると、先輩が心配そうに私を見つめて声をかけてきた。
「え、なにがですか?」
「なんだか…元気ないみたいだよ?」
そうか…そんなに私、顔に出ているんだな…。
れんさんからの連絡が、いまだに来ていない。
あんなにいい雰囲気で別れたのに、もしかしてこれで終わりなのかと思うと、胸が締め付けられる。
何もなかったから、やり逃げされたわけじゃないと思いたい。傷ついていないつもりでも、ふとした瞬間に心が沈んでしまう。
「ああ、やっぱり遊びだったんだな」
そんな思いが頭をよぎり、なんだか無性に悲しくなる。
でも、仕事中に暗い顔をしていられない。無理にでも笑顔を作り、その日をなんとか乗り越えた。
このままれんさんとの関係は終わってしまうのか?
もう会えないのか?
そのことを考えると、胸が苦しくなった。
無意識にれんさんのことを思い出してしまう。
もし、これで最後だとしたら、何も言わずに終わらせたくない。
そう思い、勇気を振り絞ってメッセージを送った。
「れんさん!今週の週末、空いていますか?」
数分後、返ってきたのはたった一行。
「会えるよ。」
だが、その一言に、
胸の中で温かいものが広がった。